東京音大吹奏楽アカデミー専攻「吹奏楽合奏」
今年度から始まった東京音楽大学の吹奏楽アカデミー専攻。非常勤講師として授業に参加しておりますが、やはり当然のことながら吹奏楽の合奏授業があります。
この授業は原則全パートの講師が合奏に参加、しかもプロ吹奏楽団やオーケストラの団員の方もいらっしゃるわけで、これは非常に勉強になります。
僕も勉強になっています。
というのも、今年度はまだ始まったばかりですから、当然1年生しかいないわけです。吹奏楽アカデミー専攻は、管打楽器専攻のように楽器別の考え方ではないので、今年度はトランペットの1年生は実はいません(来年は何人入ってくれるか楽しみです)。
(サックスの小串俊寿先生が撮影してくださいました)
それにしても吹奏楽でトランペット1本ってのは、結構刺激的ですよ。初体験。
授業は休憩を間にはさんだ2限つながり。およそ180分の合奏で最後まで元気にラッパ1本で吹ききるための演奏の仕方とかコンディションとの向き合い方など、実践的な勉強になっています。
(こちらも小串先生撮影)
普段指揮の指導をしてくださるのはユーフォニアムの外囿祥一郎先生。外囿先生の的確で、絶対に覚えておかなければならないたくさんのお話は学生の皆さんにとっても貴重な情報です。
以前からある管打楽器専攻の吹奏楽合奏は大勢が一斉に授業を受けるので、そういった楽しさや充実度はある一方、どうしても合奏の中でひとりひとりと向き合うことは難しいです。しかし吹奏楽アカデミーの合奏授業は、今年度は足りないパートもたくさんありますし、音は少ないのですが、それを凌駕する中身の濃い、本当にアカデミックなものとなっている実感を持ちます。
外囿先生が合奏で学生に「プロの仕事現場に入って演奏しているみたいだね」とおっしゃっていましたが、確かにそんな感じです。大学1年生のときからこれだけ大勢の演奏家と一緒に合奏が毎週できるなど聞いたことがありません。これは本当に貴重な体験をしていると思います。
余談ですが、4月最初の授業で気づいたのですが、学生だった20年程前のBスタジオ(写真の場所)よりも圧倒的に響きがよくて大変に演奏しやすい(とても助かる!)と思ったら、昔はジュウタン敷きだったとホルン講師の石川氏(東京音大の卒業生)に言われ、確かにそうだったと思い出しました。もっともっと響かない、いかにも練習場という感じでしたので。オルガン上の反響板もなかったんじゃないかな、どうだったかな。
少なくとも今年度はトランペット1本で演奏し続けるわけで、この貴重な経験を楽しんでみたいと思います。
荻原明(おぎわらあきら)