3月29日(金) 『石の上にも三年』
筋トレをしていて、「石の上にも三年」、と言う言葉を思い出した、冷たい石の上でも、3年も座り続けていれば暖まってくる。我慢強く辛抱すれば必ず成功することの例えである。
65歳で定年を迎え、毎日が日曜日状態になったので、本格的に筋トレを再開した。お陰様で、筋肉が多少ついて来たので、ボディビルの大会に出たいと思うようになり、一昨年の12月に、伊勢さんにパーソナルトレーニングをお願いした。私の体を見た伊勢さんは、一言、「胸は多少筋肉がありますが、後はほとんどないですね」、と言われた。この人、きつい事を平気で言うな、と思ったのだが、伊勢さんはパーソナルを引き受けてくれて、大会までの五カ月面倒を見てくれて、去年大会に初出場し、四位入賞を果たす事が出来た。四位入賞は嬉しかったが、腹には11本の皺が残り、脚のカットも甘く、腰回りの脂肪の浮き輪は取れなかった。これでよく大会に出るなと、言われかねない体だった。でも運よく、初出場、初入賞を果たせた。
去年の五月の大会の後も、伊勢さんにパーソナルトレーニングを続けてもらい、胸→背中→肩→腕→脚と週一で、ローテーションで回し鍛えてもらった。伊勢さんが作った胸のメニューは、次に胸の順番が来るまで、そのまま行った。伊勢さんは、自分では行わなかったたくさんの種目を教えてくれて、体についている筋肉を、あらゆる角度から鍛えてくれた。例えば、脚の筋肉では、自分だけでは、スクワットとレッグプレスしかやってこなかったのだが、伊勢さんは、レッグエクステンション中心で、レッグカール、アダクター、アブダクター、レッグプレスを繰り返し指導した。脚のメイン種目であるスクワットは1回も行わない。カーフの種目も行わなかった。これで大丈夫なのかなと、心配もしたが、伊勢さんを信頼して、伊勢さんのメニューを、たんたんと繰り返して行った。レッグエクステンションはかなりきつい種目で、思わず声が出ることもあった。乳酸が溜まり、痛烈な痛みを伴う。まるでSMの世界だと思った。そして一年が過ぎた。脚には、いつの間にかカットが出るようになり、去年は、見えたり、見えなかったりと、固定できなかった縫工筋が、常に見せる事が出来るようになっていた。あまりやらなかった肩も,多角的に鍛えたので、大きくなった。腹筋も薄くであるが見えてきた。身体のあらゆる筋肉が育ってきた感じがする。育つと言うより、筋肉を覆っていた脂肪が取り除かれ、鍛えた筋肉が姿を見せてきたと言う言い方の方が、正しいかもしれない。
確かに、去年より圧倒的に筋肉質の体になった。若い人ではなく、67歳の老人なのだから、これは凄い事だと思う。黙って、我慢強く、筋トレしていれば、必ずなりたい体になれる。「石の上にも3年」と言う言葉は、筋トレでは極めて正しくあてはまると思う。三年待たなくても、石の上にも一年でも、実感できるのである。筋トレは素晴らしいと思い直した。