山里レストラン あわてんぼう
山里レストラン あわてんぼう
先日、三重県伊賀市にあります、「山里レストラン あわてんぼう」にお邪魔しました。このレストランは現在、お弁当の配食サービスと見守りサービスを中心に事業展開されています。このレストランは保育園を再利用されて運営されています。その活動内容と、活動されている人達とお話したく伺いました。
あわてんぼうの由来
あわてんぼうな人が多い事が名前の由来ではありません。
あわてんぼうは、将来の阿波(あわ)を展望(てんぼう)するから名前は由来しています。この保育園は、この地区で廃園第一号の保育園でした。そのため、利用されなければ取り壊されてしまいます。この保育園は阿波地区の誰もが通う、慣れ親しんだ保育園でした。また、この地域はスーパーや飲食店が年々減少し、高齢者が買い物に困っていました。そこで、この地域の女性たちが立ち上がり、保育園を残し、地域の課題を解決するために立ち上がりました。それが、山里レストラン あわてんぼうです。
保育園のあゆみ
この地域の子どもであれば、誰もがこの保育園に通い巣立っていったことが、この年表を見てわかりました。地域に自分の幼い頃の思い出を懐かしむことの出来る場所があることは、地域にとって財産であると感じました。私はこの地区に初めて来ましたが、胸が熱くなりました。いつまでも、阿波地区にこのレストランが続いて欲しいと思います。
SNSで弁当を写す理由
毎日のお弁当をfacebookに投稿されています。そのため、皆さんはタブレットの使い方も慣れています。なぜ、毎日facebookに投稿しているか尋ねました。
最近は、家族と離れて暮らす高齢者が主流となりました。また、あわてんぼうのお弁当は学校で寮生活をしている生徒の下にも届けられています。家族は、自分の両親や子どもがどんなものを食べているのか気になると思います。その想いに気付き、あわてんぼうのスタッフは毎日、SNSに弁当の写真を投稿しています。お弁当を食べる人だけでなく、その家族の想いにも応える。本当に愛情の詰まったお弁当です。
あわてんぼうファミリーの皆さんと
「今日からあなたもあわてんぼうの一員よ!」と仰ってくださり記念撮影をしました。
あわてんぼうファミリーの皆さんは、この阿波地区で生まれ育ち、人生を送られてきました。地域で若い世代が減少し、高齢者が増加していく中、元気なうちはこの地域のために尽力しようという気概がありました。でも、悲壮感はありませんでした。それは独りではなく、仲間と一緒に取り組んでいるからだと思います。どんな困難も仲間がいれば乗り越えられるんだと感じました。私もあわてんぼうファミリーになりましたので、今後何かあればお手伝いに伺いたいと思います。
地域の資源
今回の訪問を終えて、地域の資源は、働き盛りの若者ばかりではないと感じました。むしろ、人生経験豊富な高齢者が地域の資源でないかと感じました。きっとそんな「光齢者」が地域にはたくさんいらっしゃるはずです。いなべ市でも中山間地域の高齢化率は高いですが、資源でいっぱいなはずです。これから地域の資源をどんどん発掘し、住みやすい地域づくりを一緒にして頂ければと思います。
離れても繋がる地域の輪
いなべ市と伊賀市は遠く離れていますが、地域の取り組みや強みや弱みを語り合えるような場所が欲しいです。そして、お互いの地域の困りゴトを得意な地域で補い合う。そんな思いやりに溢れた地域づくりをミクロとマクロの視点から出来れば良いのかな、などと思いました。