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いちから学ぶ現場調査【屋根リフォーム編】Part3-2

2019.04.19 03:00

『いちから学ぶ現場調査シリーズ』では、各施工部位における現場調査のノウハウを分かりやすく1から解説していく。


PART4 施工方法別チェックポイント

屋根のリフォームには、塗り替え、カバー工法(重ね葺き)、葺き替えの3つの方法がある。予算的には塗り替え<重ね葺き<葺き替えの順になるが、屋根材や下地材の劣化状況によって希望する工事ができないこともある。現地調査は施工方法を決める上でも重要な作業だ。


塗装

既存の屋根材や下地材の状態が良ければ塗装工事が可能

【メリット】

●費用を抑えられる ●工事音が立たない ●工期が短い

【デメリット】

●次のリフォームまで10年と短い ●年々色褪せが気になる


◆塗装できる屋根材か確認を

塗膜がある材料は塗装をすることで劣化の進行を遅らせることができる。

【塗装できる屋根材】

●傷みが少ないスレート ●セメント瓦 ●金属屋根


◆屋根材・下地の劣化状況

劣化した屋根材は塗装できない場合がある。下地材が弱くなっている場合も他の方法を考える必要がある。また気を付けたいのが、アスベストが建材に使用できなくなった2000 年ころから発売されたスレート瓦だ。試行錯誤で製品化されたものの、数年で表面が剥離するなどの問題が起きている。端から剥がれが生じているスレート瓦は重ね葺きや葺き替えをお勧めしたい。



葺き替え

屋根材や下地の劣化が進んでいる場合や耐震目的で軽量化する時

【メリット】

●屋根材を自由に選べる ●下地からやりかえられる

【デメリット】

●費用が最もかかる方法 ●工期がかかる


◆屋根材を仮置きするスペースの確認

新規の屋根材と古い屋根材を仮置きするスペースが必要だ。通常、車庫を利用。お客様の車を移動することになる。


◆既存の屋根材にアスベストが含まれているか確認

2000 年以前のスレート瓦にはアスベストが含まれている。解体する時に飛散するため、規定のアスベスト対策が必要だ。



重ね葺き(カバー工法)

2回目か3回目の塗り替え時期に

【メリット】

●既存屋根を解体しないため、アスベストを含んでいても飛散しない

●2重屋根になるため断熱性や防水性が増す ●工期を短縮できる

【デメリット】

●2重になるため重さが増す ●下地の劣化を見逃すと後々の補修が困難


◆既存屋根が重ね葺きに適しているか

スレートや金属屋根、シングル屋根のように凹凸が少ない屋根のリフォームに用いられる工法。カバーする屋根材はガルバリウム(金属屋根)、アスファルトシングル、樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦が用いられている。

◆下地の状態を入念にチェック

下地の状態が悪いまま重ね葺きをすると、後々の補修が困難となる。屋根材や雨漏れ状況にもよるが、20年を超した屋根は特に注意しよう。ガルバリウム鋼板を重ね葺きする場合、下地の劣化状況に応じて、既存屋根の上にコンパネを施工するかどうかを判断する必要がある。



超高耐久ガルバの登場で塩害地域に朗報

これまで海岸線から5キロ以上離れていないと補償対象外だったガルバリウム鋼板。超高耐久ガルバの登場で、500メートル離れていれば補償対象になるという商品が出て、塩害地域の商品選定の幅が広がっています。強風では棟板金がめくれる被害も多い。