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詩人・作家 神泉 薫(Kaoru Shinsen)のブログ ~言の華~

【ひそやかな本に導かれる午後】

2019.04.19 07:30


昨日は、親しい友人お勧めの、ずっと行きたかった本屋、

ブッククラブ回へ行ってきました。


最寄駅は、青山一丁目。隠れ屋的な場所にひそやかに在る本屋さん。



なかなか入り口が見つからず、

ふと眼差しをあげると

看板がありました。



緩やかな階段を降りていくと、異空間が拡がっています。


買い求めたのは、カリール・ジブラン著・佐久間彪訳『預言者』(至光社)と

稲葉俊郎著『ひとのこころとからだ いのちを呼びさますもの』(アノニマ・スタジオ)。


装丁や色、手触り、ことばの佇まい、どことなく惹かれるものを手に取りました。


スタンダールではないけれど、赤と黒。


ジブランの『預言者』を開くと、目と心に触れる文章に手が止まります。



 魂の隠れた泉は溢れ出るもの。そして囁きながら海に流れ入るもの。

 あなたの無限の深みにある宝は、あなたの眼に触れたがっているのです。

 しかし、その知られざる宝を秤りで量ってはなりません。

 そして、あなたの「知」の深みを、測り竿や測り綱で探ってはなりません。

 なぜなら、「自ら」は極みなく果てしない海だからです。

 言ってはなりません。「私は真理を見つけた」と。言うならば、「私は真理のひとつを見つけた」と。

 言ってはなりません。「私は魂の道を見つけた」と。言うならば、「私は道を歩む魂に出逢った」と。

 なぜなら魂は、およそ道という道を歩む。

 魂は一本の線の上は歩まず、葦のように育つものでもない。

 魂は拡がって行くのです。無数の花弁を持つ蓮のように。

                          

                         「自らを知ることについて」より



水のように内側へとしみ込んでゆくことばを受けとって、再び、新しい自らの白いページを拓いてゆきます。



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