【ひそやかな本に導かれる午後】
昨日は、親しい友人お勧めの、ずっと行きたかった本屋、
ブッククラブ回へ行ってきました。
最寄駅は、青山一丁目。隠れ屋的な場所にひそやかに在る本屋さん。
なかなか入り口が見つからず、
ふと眼差しをあげると
看板がありました。
緩やかな階段を降りていくと、異空間が拡がっています。
買い求めたのは、カリール・ジブラン著・佐久間彪訳『預言者』(至光社)と
稲葉俊郎著『ひとのこころとからだ いのちを呼びさますもの』(アノニマ・スタジオ)。
装丁や色、手触り、ことばの佇まい、どことなく惹かれるものを手に取りました。
スタンダールではないけれど、赤と黒。
ジブランの『預言者』を開くと、目と心に触れる文章に手が止まります。
魂の隠れた泉は溢れ出るもの。そして囁きながら海に流れ入るもの。
あなたの無限の深みにある宝は、あなたの眼に触れたがっているのです。
しかし、その知られざる宝を秤りで量ってはなりません。
そして、あなたの「知」の深みを、測り竿や測り綱で探ってはなりません。
なぜなら、「自ら」は極みなく果てしない海だからです。
言ってはなりません。「私は真理を見つけた」と。言うならば、「私は真理のひとつを見つけた」と。
言ってはなりません。「私は魂の道を見つけた」と。言うならば、「私は道を歩む魂に出逢った」と。
なぜなら魂は、およそ道という道を歩む。
魂は一本の線の上は歩まず、葦のように育つものでもない。
魂は拡がって行くのです。無数の花弁を持つ蓮のように。
「自らを知ることについて」より
水のように内側へとしみ込んでゆくことばを受けとって、再び、新しい自らの白いページを拓いてゆきます。