春リーグ最終戦
春リーグ最終戦
6年生にとっては引退となる正真正銘の最後の試合が始まった
天候は快晴で、あたかも引退生の最後の花道となるような清々しい青空だ
先発はもちろん6年の松浦
気迫の篭ったピッチングにより敵を追い込むが、今回の相手は超重量打線で有名なチーム
そう簡単にアウトを奪うことは出来なかった
要所要所で打ち取るあたりはあったものの、ここまで鉄壁を誇った内野陣にエラーが重なり初回からビッグイニングとなった
攻撃は初回、相手の変則的なピッチングに翻弄され、3者凡退と終わり松浦を休ませることが出来ずに次の守備に移った
2回、打者が2巡目に移ったところで遂に松浦が捕まり、彼の闘志を表現するかのような大炎上となった
しかし、ここで登場したのがエース林
先輩である松浦を助けるかのようなピッチングにより、多少の被弾はあったもののなんとか消火に成功、長い長い守備が終わり次の攻撃へと繋げた
2回裏、先頭打者は4番好本
粘って打った当たりはショートへのゆるいゴロ
しかし共に長く闘ってきた松浦を助けるかのように一塁へ執念のヘッドスライディング
際どいタイミングであったが判定は見事セーフ、素晴らしい闘志を後輩に示した
続く5、6番が三振に終わり2死になり7番向井
ここで勝負を仕掛けて好本が2盗を試みる
しかしその援護をしようとした向井がまさかのインターフェアを取られ、好本の闘志を活かすことが出来なかった
3回からの守備はエースの林が大健闘
毎回、塁は埋められたものの要所を締めるピッチングによりなんと最終回まで1失点で乗りきった
そして試合が動き始めたのは3回裏、8番林が四球で出塁すると回ってきたのは9番田原
元キャプテンとしてここまでチームを支え続けた男がこのリーグ戦初打席として挑んだ
キャプテン時代から公式戦ではこれまで4年に渡りノーヒット
緊張した面持ちで臨んだ打席で高めに浮いた初球
無我夢中で振り抜いた当たりは打ち上げたかと思われたがグラウンドの誰もが驚くほどの伸びを見せ右中間深くに落ちる最高の一打
一塁の林も帰還する適時三塁打となった
これにより田原は公式戦初安打初打点初三塁打を記録
そして1死になりながら回ってきたのは2番坂本
同学年の田原を本塁へと帰すため難しい球をなんとか転がしたが、打球はファースト正面
すぐにベースを踏まれ本塁へと送球された
しかし田原は捕手がブロック体勢になるのを見るやスライディングをやめ、イチローさながらの回り込み、忍者のごとく捕手をかわし本塁への帰還を果たした
元キャプテンとそれを支えてきた坂本との5年生コンビによりチームに活気をもたらす2点をもぎ取ることに成功した
彼らの活躍により守備にもリズムが生まれ、遊撃手福武のファインプレーからのゲッツー、田原に変わり左翼に入った吉隆から三塁手向井へと繋がる好プレーへと確実に敵の攻撃をしのぐことに成功した
しかし攻撃はうまく繋がらず、戦況は停滞したままとなった
そして迎えた最終回
7番向井に変わり坂本弟が打席に立つも塁に出ることが出来ずあえなく三振
8番林に変わり打席に立ったのは今リーグ同じく初打席の野口
ここで相手の投手が変わりエースが登場
しかし野口は持ち前の選球眼を生かし、投手の変わりばなを狙いフルカウントに追い込まれながらも四球をもぎ取った
続く9番吉隆は相手の速球に苦しみ三振となり2死で1番に回った
そして1番伊東に変わりここで打席に立ったのは初戦で負傷しここまで出番の無かった元4番の増原、引退生を最後勝利で送り出したい、負傷により試合に出ることが出来ず迷惑をかけたチームに恩返しがしたいと負傷を押しながらも打席に立った
狙うはただ一つホームラン
増原をみた相手はすかさず投手交代、変則的なフォームにより放たれる球は動きながらもゾーンを攻めてくる、追い込まれながらも粘り続けてようやく来た直球
捉えたかと思われたが、ボールが潰れ柵まで届くことはなく左翼手のグラブの中へと吸い込まれた
春リーグ最終戦
最後の最後で攻め切ることが出来ず、勝利で飾ることは出来なかった
しかし、引退生である松浦の闘志あふれる投球、それを支えようと必死で塁に出る姿勢を見せた好本、彼らの意志を引き継ぎ秋以降のリーグ戦の勝利を目指していきたい