潮満つる時まで
Maribrengaëlです。
台湾に「高美湿地(Gaomei Wetland)」という場所があります。台湾…と言っても多くの人が滞在するであろう「台北」ではなく、そこから台湾鉄道で2時間半くらいかかる「台中」に行き、そこからさらにバスで1時間半の場所にあります。まったく予定はしていなかったのですが、ひょんなことから「台中」に行くことになり、「こんなところがあるんだけど、行ってみたら?」という現地の知人の一声もあり突然行くことになりました。
「高美湿地」は、台湾のウユニ塩湖と言われていて、インスタ人気もあり今世界から注目を浴びている場所です。特に、日没後。空がブドウ色に染まり、たなびく雲が水面に反射する様子は幻想的で、夕方に向けてどんどん混み合ってきます。私たちも、台中市内をぶらぶらしていたので、バスでこの場所に到着したのが16:30頃でした。そしてバス停からは、風力発電の風車を横目に、日陰のない土手を歩く歩く…。もはや、「夕日が♡」とかそんなレベルではなく、「西日暑すぎ問題」で息も絶え絶えなのでありました。その土手をしばらくいくと、ウッドデッキが海のほうへせり出していて湿地帯を通って海面まで歩けるようになっています。
デッキ下をみると、湿地帯に白いものすごい数のぽつぽつが光に反射してキラキラしています。「すごーい!謎の石キレイー!」と言った私に「あれはシオマネキだよ…。」という突っ込みが。シオマネキとは、片手に大きな白いハサミを持つ「蟹」のことで、オスが求愛行動をする時にそのハサミを振る行動が、「満潮を招いている」ように見えるためそう呼ばれるとか。英語ではwavingと言うそうです。この時は、満潮になっていく時間帯で、みんな穴から出てきてハサミを振りながらそれを待ち受けていたようです。リアルにNHK「ダーヴィンが来た!」を見ているような感覚。一斉のタイミングでブラインドが翻るようなあのは景色は圧巻でした。
今回は「蟹座新月」で皆既日蝕。(時間が朝4時台なので、日本からは見えません。) そしてその蝕は2020年7月まで続きます。その1回目。2018年7月に同じ蟹座新月で蝕がありました。その頃と自分はどう変わったのかも、確認してみましょう。月は蟹座の守護惑星なので、もっとも内面の深い部分に手が届き、大切な気づきがあるかもしれません。
そしてさらに1年後の私たちは、蝕にまつわる蟹座の月が終了することによってシオマネキのように穴の中での変化を終え、地表に出て大きく手を振る時がやってくるのです。そして新たなる旅へ。その時のための今、なのです。
Les Chronovoyageurs...
※ 日本時間7/3 4:17に新月となります。