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黒稜山岳会

北方稜線+チンネ左稜線

2018.08.10 15:00


【日程】 2018/08/11-08/13 

【メンバー】 タマキチ 

【レポート】 

北方稜線+チンネ左稜線に行ってきました。これで4度目の挑戦。今回のパートナーは友部さん。かなりシンドイ行程+登攀なので慎重に人選、なんてことはなく。ポッと思いついいて連絡したら快諾!今まで以上に軽量化に努める。おかげで私的にはこんなにシンドクなかった。ま、色々先が読めたのもある。  

8/11始発のバスで黒部ダムに降りるとやはり雨だ。3人Pと抜きつ抜かれつ。同じく池の平まで、心強い。小降りになり、やがて10時には太陽が照り付けた。青空だ!嬉しい。その分、水消費が増える、汗が噴き出る。我慢の登高の末17:30テンバに到着、10.5時間行程。内容も豊富で飽きないけど、やっぱ疲れる。過去1回しかここまで辿り着いてないので、まずは満足。さっそくビールで乾杯してカップ麺食べて、とっとと就寝。  

8/12曇り3時起床、4:45発。あの3人は北方稜線~室堂へ下山の予定でもう出発した模様。このルートも3回目、大方覚えてる。雨は降ってなく有難いが、虫がヒドイ。ほどなく小窓雪渓に乗る。フー涼しい。この稜線からが不明瞭でホントにこれで良いの?が続く。前回間違えた分岐もはっきり覚えてて難なくクリア。分かりずらいがたまにマーキングがある。で最大の核心、雪渓トラバース。ここのためにイボイノシシを持参するはずだった、が軽量化で止めた。とても後悔。3年前はもっと雪も柔らかくシュルンドもなくなんとか横断した。今日はザイル出そう、支点なんか取れないけど。足元は軽アイゼン・手はストック+手袋。つま先立ちは滑落必至。手袋頼りに、岩角ならぬ雪角をホールドに歩を進める。いやード緊張。ここで少し迷った3人が追い付く。彼らは12本+ピッケル、そりゃ安全だ。それをこえるとガレ地獄の始まり。こんなとこ上から下りてくる人居たら殺されるってな岩雪崩状態。登りきると対面に池ノ谷ガリーと三ノ窓が目視できる。すでに真っ白のガスに包まれている。慎重にガレを下るが、さっきよりマシなのでOK。9:30に念願の三ノ窓。ルートから少し外れてるしテント設営する。これで第一の目標である三ノ窓に幕営!が叶うことになる。で準備してチンネ登攀に出陣。すでに数人が取り付いてる、解除~やら元気な声が聞こえる。真っ白なんで取り付きに迷う。とっとと雪から降りてしまったが、もっと先だった。敗退してくる人に教えてもらい、辿り着けた。目視できれば問題ないだろう。いざ登攀開始は11:30。玉木リード。こんな重い装備担いだんだ。使わずして帰れるか。20mなのでサックリ到着。2P、友部さんリード。っと雨だ。午後から雷雨の予報で、明日は曇り予報。昨日もザンザン降りだったし、ここなら敗退も容易。で懸垂で降り立つ。しかし、予報に反し止んでる。でも、雪渓伝いに戻るのも核心だったので、敗退はやむを得ない。ん~、とは言ったものの行けたなぁ~が心を支配する。明日に期待。で昼寝したり、ガスが晴れたら景色を堪能。そうだよ!一番の目標はここでマッタリすることよ。ホントは幕営禁止なんだけど、こんな計画じゃなきゃ泊まれない。夜中に目が覚めたら満天の星空+富山湾~街の明かりが幻想的だった。うん、非常に満足。  

8/13 4時起床、ザンザン降り。耳栓してたから全く気付かず。起きて、泣きそうなくらいモチベーションが下がった。昨日を後悔した。ま、天気には逆らえない。ここからも岩稜続き、滑らないよう慎重に行かねば。6時前出発~途中迷いながら8:18剱本峰到着。振り向いて友部さんを迎えてると「何やってんの?」と。山頂じゃないと思ってたみたい。こんな雨でも登山者は結構いる。下り渋滞は勘弁、ほどほどに山頂を後にする。それこそ一般道に入ったという安堵で雑な歩きになる。イカンいかん。鎖はヌメヌメ滑るし、スタンスも滑りそう。一番肝を冷やした所だ。下りよりも上りとの交差が続く。午後から晴れるらしい、いいな。私らにはもう天気は関係ない。一路、風呂を目指すのみ。10:45剱山荘に到着。泊まり客でごった返す中、ビールで英気を養う。う~冷えてきた、頑張って歩くか。12時すぎ剱御前でも小屋休憩。14時には雷鳥平。お腹ペコペコで広い温泉に入りたい。立山駅付近のお風呂は狭い、富山駅は銭湯。なにより臭いままケーブル乗れない。で、雷鳥荘に直行!至極幸せのヒトトキ。硫黄臭の白濁温泉に浸かって、この3日間を振り返る。思えば、黒稜の初合宿は剱だった。10年前?北方稜線を歩いた。そのころ8名でチンネを登攀した。この北方稜線+チンネ+三ノ窓幕営は、8年温め続けた計画だ。左稜線完登は成らなかったが遂に念願が叶った。来年からはこの計画に縛られることなく、あちこちに思いを馳せよう。夏の北アルプスに来たら、この3日間を鮮明に思い出すのだろう。  完 

 報告 タマキチ