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嵐 祥子 | Arashi Shoko

クリスチャン・ボルタンスキー展へ

2019.04.22 07:00

大阪中之島、国立国際美術館で開催中の、クリスチャン・ボルタンスキー「Lifetime」展へ行ってきました。


写真撮影可能エリアが多く、来場者は照明がおさえられた会場の中(かなり暗い)、おもいおもいに撮影していました。

インスタグラムで「ボルタンスキー」と検索すると、展示の様子がたくさんシェアされており、内容をいくらか知ることができます。


それでも実際の展示された光景を観ると、やはり直接、作家がつくったイメージを体感したいものだな、行って良かったな、と思いました。

でも実は、ボルタンスキーの作品のテーマである「歴史や記憶、死や不在」がもつ濃密で重い世界観が、すこし怖いのです。


はじめて作品を拝見したのは、2010年の瀬戸内国際芸術祭。豊島にある小さな美術館「心臓音のアーカイブ」でした。


「心臓音」という作品は、人々が生きた証として心臓音を収集するプロジェクト。ボルタンスキーが集めた世界中の人々の心臓音は、恒久的に保存されるそうです。わたしも自分の心臓音を採録させていただきました。


普段は遠いところにあるように感じている「生と死」が、本当はすぐそこにあることを、心臓の音を通して目の前に突きつけられているようで、リアルに感じるのが怖く、長くは滞在できませんでした。


今回の展覧会の入り口で、まずはその作品がお出迎えしてくれます。大きな音で「誰かの心臓音」が聞こえ、それに合わせて点滅する電球。

「ひえー、やっぱ怖い」と足早に去ろうかと思いつつ、振り返って遠目から鑑賞しました。


他にもドキッとするような作品がたくさんあります。

同時開催の「コレクション3:見えないもののイメージ」は、ボルタンスキーに合わせられた企画。こちらも興味深い内容でした。

なかなかボリュームがあるので、これから行くかたは時間にゆとりを持って来訪されるのがおすすめです。

外へ出ると夕方で、背中に感じる西陽が暑いくらい。堂島川を見てゆっくり散歩しながら人心地つき、駅へと向かいました。