CL事始め×NATURA1600
ここ数年で最も使ってるカメラと言えばライツミノルタCLです。
手に入れてから3年程ですが、休みの度に持ち歩いていますので現在では「手足のように・・・」とまではいかないものの操作で戸惑うところはほぼありません。
尤も「操作」と言っても絞りとシャッタースピードとピントの3点に限られるわけですが・・・
しかし最初の頃はなかなか思うような写真が撮れませんでした。
一番外したのはピントです。
レンジファインダーにはそこそこ慣れてはいたのですが、それでもCLの二重像は「他に比べて見やすい」ということは(個人的には)なく、最初の数本のフィルムはピンボケ写真の連発でした。
ここまで豪快に外すとそれはそれで味に見えなくもありませんが(笑)、とにかく微妙に外すことが多く、それも前ピン後ろピンどちらもあるので、完全にカメラのせいではなく僕の操作が悪かったのが要因のようです。
そして僕はこの頃フジのNATURA1600というフィルムをよく使っていました。
単純に高感度フィルムなら夜のスナップもし易かろう・・・という理由だったのですが、このフィルムの異常とも言えるラチュードの広さを重宝に感じていた部分もありました。
確かに夜のスナップには無敵とも言えるフィルムでした。
昼間でも適正露出で撮ればいいものを、背景をぼかしたいので絞りは必要以上に開けて撮影していたため明らかに露出オーバーの写真も量産してしまいました。
いくらラチュードの広いナチュラとは言え、ここまで来ると救済不可能だったのでしょう。
郵送で現像をお願いしていたラボからも、「露出がオーバー過ぎです。もうちょっと適正な露出で撮ってください」というメモ書きが貼られて返送されてきたりしました(笑)
それとレンズ交換式のレンジファインダーカメラの、複数あるファインダー枠に慣れずに構図が緩くなることもありました。
こんなちょっとかっこいいコンテナだけを撮ったつもりが、横に「こいぬ」とか書かれたホノボノしたノボリが写っちゃったりしています(笑)
しかしまぁ最近はこんな緩さもレンジファインダーカメラの魅力だと思っていますが。
そんな感じでNATURA1600を悪戦苦闘しながら5本ほど消費した後でしょうか?
僕は思い切ってモノクロばっかり使うことによって、気持ちを一旦リセットしました。
モノクロを7~8本撮り、またカラーネガに戻ると、不思議なことに今度は非常にしっくりと馴染んだ感覚を得ることが出来ました。
カメラ自体に慣れたってこともあるでしょうし、光の見方みたいなことも変わったのかもしれません。
今あらためてNATURA1600を使ってみたいのですが残念ながら生産中止・・・
フィルム自体には全く責任は無いのですが、CL事始めのちょっと苦い思い出とともにこのフィルムのことを思い出しました。