北アルプス穂高連峰奥穂ジャンダルム
【日程】2018/04/29-05/01
【メンバー】L.タマキチ、N野さん
【レポート】
残雪登攀行ってきました。毎年恒例となっているGW前半にN野さんと。一昨年は岳沢ベースで3泊した。その年の夏に北穂東稜に行った。で成るべくして涸沢ベースの計画と相成った。前穂北尾根と北穂東稜+ジャンダルムへの縦走だ。かなり前からリストアップしていたのでイメトレも万全。今年の前半は快晴続きでワクワクするぜぇ。
4/28 22時集合、まだ空いているので3時間で沢渡着。明日は涸沢まで、のんびりできる。
9時上高地出発。ザイル・ガチャ・ハーケン・カムと余念なく準備してのでずっしり肩に食い込む。12:30横尾を発ち本谷橋からは雪景色。アイゼンは不要、でも1本道の大渋滞。15:30涸沢着、すでに50張りはあろうか。あまりに暑いので整地もソコソコにビールで乾杯。
29日3:20起床、4:40発。先行のヘッデンが見える、心強い。空身だからまだ良いけど、かなりの勾配でコリコリ。6時ころ尾根に乗る。先行はフル装備だ、明神岳に行くらしい。雪壁になるだけの雪はないと確信しアックス1本で臨んだ。5峰も4峰も真っ黒でアックスは仕舞いっぱなし。尾根通しでなく巻いて下った所は急斜面でおののいた、尾根通しが正解です。ここらで先行に譲ってもらう、がさらに3峰でロープ出している本日のトップがいる。こちらもフル装備。見た感じノーザイルで行けそう。この調子じゃ30分は待たされそう、で10mほどよじ登る。あぁやっぱ基部から核心開始だったと思い出す。ハーケン添い登ってないので交差しない。ここからタマキチリード。4年前か?案外覚えているもんだ。1ピッチ目のチョイ上がった所~2ピッチ越えて3ピッチ目チョイまで目いっぱいザイルを延ばした。交差を避けるため。夏はガレていたり、這い上がるのが大変だった所も雪があればアイゼンが効いて不安はない。セカンドを迎え、そのままザイルを延ばす。後続の気配も感じたがその後見ることはなかった。空身との違いですな。飯田さんに「今年はレベル下げたね」と言われたが、奥穂南稜・コブ尾根と比べればまさしく易しい。快適を通し越して物足りないくらい。程なく2峰に着き懸垂で7‐8m降りる。文字通り、あっけなく前穂山頂に到着、9:45。
ふむ、満喫ではあるがね。これじゃ明日の北穂は9時にはベースに戻れちゃうな。5人Pがいたが岳沢から奥明神沢から詰めて来たのだろう。浮石の多い夏では道でないガレを下る、アイゼン取っちゃえ。そんで奥穂~ジャンは行くつもりなので、今奥穂への登り返しが億劫になる。吊尾根の鞍部から覗いてみる。ハイマツを拾って懸垂で降りちゃえ。50mザイル1本なので25mしか降りられない。日も当たって腐れていて厄介だった。ボコッと大穴に落ちそうになったり、トレバース気味に移動したり。支点のハイマツも生きているのだか。3回懸垂後は支点が皆無。スタンディングアックスビレイで確保してもらい後ろ向きクライムダウン。アックス1本が悔やまれる。良い感じで腐れているので滑っても止まるだろうがね、この勾配は勇気が要るよ。で50m確保を3回延ばし、安全圏に入りズボズボ下る、暑い、眩しい。12:30ころベースに帰還。そのまま冷やしていたビールで乾杯して昼寝モード。隣のテントがウド・エビ・ホタテの天ぷらをやっている、猛烈にうまそうだ。こっちは毎食ラーメン。そのうち涸沢天ぷら山行を企画したい。そんなので、明日はフル装備登攀に変更。
30日3時起床、4:50発。やはり重い。すでに行列ができている。今日も先行が入っている。で緩やかになったころ、南稜と別れ東稜への登りに右方面へ。これも夏だとガレや浮石で神経使うとこだが、雪があればどこでも道。デブリだらけだけど。目を付けていたトレースに乗っちゃえば階段状。昨日の急勾配を登っていれば全荷でも苦ではない。7時尾根に乗る、風が強い。昨日はほとんど無風で登攀日和でした。夏は東稜自体は30分で抜けてしまった。今日はザイル出しましょう。風も強いし、先行に追い付いてしまう。岩稜の登りは楽勝でも、急傾斜トラバース気味に下る、っていうのはザイルがあると精神的に大きく異なる。やはり1時間で東稜を抜け、雪壁をカシカシ登ると北穂小屋に突然飛び出た、8:30。かなりまったり休憩後、奥穂に向け縦走開始。たまに横向き歩きの斜面がある以外は雪はない。新調したてのアイゼンが不憫。ここらでフル装備が堪えてくる。う~重い。鎖や階段は息が上がる、シンドイ。休もうにもスペースないし、立ち休みで整える。一度アイゼン外して歩いた、これは快適。程なく雪が出て再度装着。涸沢槍には人がいっぱい。う~これで下れば山荘だ!12:30到着、テント跡はない。整地してテント張ったら~18:30まで宿泊者よろしく薪ストーブに当たっていました、最高。
1日3時起床、4:45発。途中ご来光拝めた。5:30ころ奥穂山頂GET。ゆっくりしてジャンダルムへ向かう。ここもトレースがある、ありがたい。さっそくナイフリッジだけど、コリコリでもないしさほど恐怖はない。はて?馬の背は過ぎちゃった?ってなくらい。ルンゼをクライムダウンで過ぎちゃったのかな。ここからは壁状なのでザイルを出す、せっかく持ってんだし。グルっと回り込んでもう1ピッチミックスを登攀。さらにクライムダウンするとジャンダルムの基部に出くわす。アイゼン外してピストン。8時登頂!奥穂の人々が手を振ってくれた。実に清々しい、満足満喫。ここからはコブ尾根で経験ありなので記憶頼りに岩稜帯を下る。急だったりたまにコリコリが出たりで気が抜けない。アイゼン下りに疲れ、何度か着脱しつつ天狗のコルに到着10:30。ハーネス外し、アイゼン締めて天狗沢を駆け下りる。走るつもりはないが埋まるので、埋まりきらない内に次の一歩。が駆け足になり20分で岳沢に降りきってしまった。生ビールで乾杯。あとはタラタラと1.5時間かけて上高地で下る。毎日快晴で予定通り行程が踏めて充実しました。
報告 タマキチ