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4月10日 山都町 → 椎葉村[椎葉民俗芸能博物館]→ 南阿蘇村(146km)②

2019.04.22 10:35


続いては、民間信仰について。


年末年始に行われる行事で、一風変わったものをご紹介。



神事で、こんなカラフルな飾り物も珍しい。



こういった餅花飾り物は、日本各地で見られるが、結構華やかな感じ美しい。



収穫を祈る「モグラウチ」は、九州では一般的だとか。



他地域では、「鳥追い」というらしい。 


関東人の我々は、その言葉に聞き覚えはあるが、未だかつて、一度も目にしたことはない。




そして、小正月前に、シシが捕れると玄関先に吊るすという「シシツリ」




次は、門松。


間に下げる縄に、吊るされた「蘇民将来子孫の門也」と記した護符を下げるという。



この「蘇民将来」。


道中見かけた、裸の男性の祭り「蘇民祭」と関係があるとか。


「蘇民」とは何なのか?


ネット検索してみても、よくわからなかった。


今後も注視したい案件である。



さらに、変わったところで「正月の呪文」


正月の儀礼では、様々な呪文を唱えるという。


この「ねや 起きて」とは、何の意味なのか?




ここで、また、「蘇民将来」登場。




続いて春祭りの「的射」



的射は、椎葉村各地で行われており、その的の形もさまざま。



行事として、これだけ盛んに行われているというのは何故なのか。 


起源は、江戸初期だとすると、農民が行うものとしては少し不自然な気もするが。


薩摩藩における麓の半農半士生活を送っていた武士であるなら、いざ知らず。


それとも、弓の名手那須与一の弟の子孫だけに、密かに的射を慣わしとしていたのだろうか?





続いては、盆の行事。




寺や僧侶を介在させない、普段着の民間行事。




そして、村内の26地区で舞われているという、国の重要無形民俗文化財「椎葉神楽」



神楽というのは、焼畑農耕や、狩猟生活と密接な関係がある。



来訪神というのは、この地に神のような存在が訪れたことがあったということか。



能面らしからぬ、若い女性の面がある。


これは、なかなか珍しいらしい。



衣装につける小道具も、カラフル。


一見すると、クリスマス飾りのよう。




「雲」と呼ばれる天蓋や、飾り付けの「えりもの」は、高千穂あたりでも見られたものと同じ。



こういったものが、村内26地区で保存され、受け継がれているというのである。


ここはまさに、伝統文化の宝庫である。




そして、最後に、民謡。


この地の生活で育まれた民謡は数知れず。


中でも有名なのは「ひえつき節」。



正月に客を御馳走でもてなせず、代わりに「つくり歌(歌詞を作る」を贈ったというお話。


心豊かな生活を送っている人々ならではの、心と心の交流を感じさせる。




他に、焼畑や狩猟、製茶、炭焼きなどについては、五木村での展示内容と共通点が多かった。


また、伝統芸能や民間信仰などでは諸外国との比較などもあり、学術的な深みのある展示であった。