ビル・ゲイツが絶賛した「やればできる!」の研究
★ぱぱにっき
三日前の金曜日、娘(小1)の初めての授業参観のために、会社を午後休して、 妻と一緒に娘の学校に行きました。授業参観時間は5教時目からでしたが、娘が教室にいない! 後で保健先生と手をつないで5教時が始まる前に戻ってきました。3教時目の後、給食後から体調がすぐれない様子で4教時は保健室でお休みしていたそうです。体温は36.9度で微妙でしたが、割と元気そうにみえたので5教時の授業には復帰しました。その後、妻は学校のPTA会の集まりで学校に残り、娘はYAMAHA音楽教室があったので、僕と車でYAMAHA音楽教室に向かいました。そこまでは娘も元気に周りの友達とわりと元気に遊んだりふざけたりしている様子でしたが、深夜から土曜日の朝にかけて高熱発生!!!土曜日の午前中に係り付けの病院へ行きました。検診結果は、「インフルエンザB型の疑いあり!」でして、月曜~火曜までは学校を休むことになり、 月曜(本日)再受診を受けることになりました。
土曜日はもともと娘の幼稚園の時からの友達で今は同じクラスの友達がきて、僕が二人の面倒をみながら勉強を教えて、さりげなく二人に勉強にたいする善き競争心の火を つけてやろうと思った企みは娘のインフルBによって砕かれました。まあ、とにかく、土日は家族3人、インフルとの格闘でして、勉強も娘を含む家族全員の完全回復まではお休みです。
我が家のプライベートなニュースは以上で終わりですが、 今日は、前回の記事の続きとして子どものやる気に関する話です。
今日の関心時ニュースとして、 スタンフォード大学の教授で心理学者のCarol Dweck博士の20年にわたる研究結果を まとめた本を紹介します。
自分を成長させようとする「成長する思考態度」と 自分の成長を自分自身で邪魔してしまう「固定された思考態度」についてかかれた本です。
我が娘にもよく見られる行動ですが、
「固定された思考態度」は「自分をよく見せたい」という 欲求があるため、失敗する可能性がある挑戦を避けたがります。 障害にぶつかった時のあきらめも早く、自分の能力を出し切ることができず、 早い段階で能力の伸びが頭打ちの状態へと移行してしまいます。 子どもの発言や発表において間違い気づいてそれを正そうと思う親や先生が 間違いを直してやろうと指摘してしまうと子どもは次回の発言や発表時、 自分の考えが正しいのか正しくないのか自信が持てなく、再度指摘されまいと受身の態度をとってしまいます。 自分が知っているものしか挑戦しようとしなくなります。
しかし、「成長する思考態度」の子どもは「学びたい」という欲求から始まるため、 挑戦を喜んで受け止め、逆境にぶち当たっても粘り強く堪えます。 力は熟達への通過点と考え、批判から学び、他人の成功からも学んだりインスピレーションを 受けたりするという流れになります。
この根本にあるのが「学びたい」という考えが、全てを吸収し高い成功レベルへと導いてくれるわけですが、 どうすれば、「固定された思考態度」から「成長する思考態度」へ変ってくれるのでしょう。
著者であるDweck博士は、大人と子どもの両方を対象とした20年に及ぶ研究で 「人格や知性は自分の性格すら本人の生まれ持ったものではなく、成長させることができる」と信じることが、大人にも子どもにも著しい変化をもたらす、ということを証明したそうです。 つまり、“私の性格は~なのよ”と思っている時点ですでに「固定された思考態度」かもしれません。
Dweck博士が行った研究の1つに4歳の子どもを対象にした実験がありますが、1つのグループには「固定された思考態度」を教え、 もう片方のグループには「成長する思考態度」を教えてから、 それぞれのグループに2種類のジグソーパズルを選択させたところ、「固定された思考態度」のグループは自分の能力を示せるように簡単なパズルを選び、 研究者らに対し「間違えない」という自分の能力を示し、 反対に「成長する思考態度」のグループは 「固定された思考態度」のグループのことを 「新しいことが学べないのにどうして何度も同じパズルを選ぶのか」 と困惑していたそうです。
つまり、「固定された思考態度」のグループは自分を賢く見せるための確実な成功を求め、「成長する思考態度」のグループは自分の能力を伸ばせる方を選んだのです。まだ幼い我が娘だけに限ったことではなく、多くの若い世代と世間全般で、よく見せたい人と、そのような人を真似て自分もよく見られたい人で溢れているように感じます。
ほめ方にとっても、
「すご~い、100点も取ったね、いい点ね。頭がいいわ」と子どもの能力を褒めることと
「えらいね、100点も取ったね、いい点ね。よく頑張ったわ」と努力を褒めたこと、
能力を褒められた子どもは次にも同じ結果を得るため、難しい方の問題を避けるようになるが、反対に努力を褒められた子どもたちの大半は新しい学びが得られる難しい方の問題を選ぶのです。
「固定された思考態度」のグループの子どもも、「成長する思考態度」のグループの子どもも、 どちらのグループも最初の問題は簡単に正解できるため楽しめるのですが、問題が難しくなっていくと、能力を褒められた子どもは楽しむことができず、一方、努力を褒められた子どもたちは自分の能力を伸ばしていけるので難しい問題でも楽しめるわけです。
前者が問題に正解できないことでどんどんやる気をなくして行くのに対し、後者はどんどん成長していきます。 正直、子どもに関した話に限らず、 我々成長した大人の夫婦やカップルに例えて考えて見ましょう。 離婚の理由に、相手に暴力を振るってしまうどんでもないケースは別として、
ただの「性格不一致」が起因するケースのほうの離婚が圧倒的に多いのです。
大人は小さなことにおいても常識という言葉で、 自分の相手の考えをどっちが正しくどっちが正しくないかで判断しようとしかちです。このように「完全さ」を重視する人々は争いが起こると、 相手の性格に欠点があるとして相手を責め出します。そして相手をさげすみ、相手との関係そのものを不満に思う傾向にあるようです。 一方「成長する思考態度」のグループは相手を責めず、欠点を認め、 欠点があっても自分たちは十分な関係にあると考えます。
そう、争いの原因は単なるコミュニケーションの問題で、相手の性格上の欠点ではと思うのです。
さて、大人な我々はどっちのグループに属しているのでしょう。
子どもに教える前に自分たちの思考を改めたほうがよさそうです。