4月11日 南阿蘇村 → 阿蘇山上ビジターセンター→ 阿蘇市(34km)
山々を外から眺めている気分だが、よく考えると今立っている場所は、東西約18km、南北約25kmの巨大な阿蘇カルデラの内側であり、原始の噴火口の中に居るということになる。
高原の朝は、実に気持ちがいいものだ。
阿蘇山々も、くっきりとシルエットを映し出している。
今日は阿蘇山の北側にある、道の駅「阿蘇」へと移動することに。
昨日の晩、道の駅に到着した時には気付かなかったが、隣には南阿蘇村の復興支援市場が。
南阿蘇村といえば、2016年に発生した熊本地震では益城町に次いで被害が大きかったところ。
近くの国道325号には仮設住宅があり、今なお、被災者の方々が入居中。
その斜め向かい側には、最近完成したばかりの「災害公営住宅」も。
2018年5月末現在の、南阿蘇村で被災者された方の「仮設住宅」と「みなし仮設住宅」の入居者は、
913世帯1,866人。(『西日本新聞』2018/07/06付記載のデータによる)
「みなし仮設住宅」に入居された方は852世帯で、そのうちの786世帯、92%が他市町村に転出しているという。(『熊本日日新聞社』2019/04/10付記載のデータによる)。
復興への道は遠い。
さらに進んでいくと、「前方は通行止めのため、別ルートを案内します」というナビの声。
阿蘇市方向に向かう道は、通行止めになっている。
よくよく見ると、その先は熊本地震の際に、大きな土砂崩れがあったところ。
前方の山の一部分、山肌が露出しているのがわかる。
地震発生後の写真を検索すると、時事通信社の写真があった。
この先にある、全長約200メートルの阿蘇大橋が崩落していた。
ナビは、さらに東へ東へと、阿蘇山の山頂付近へと向けて、進路を指示する。
車の流れもなくなり、行き交う車も復興作業中のダンプカーばかり。
宅地造成のように見える風景も、地崩れの復旧作業なのであろう。
切断された農業用水パイプや排水溝も切断面が露出したまま。
崩れたゴルフ場も、そのまま放置されていた。
芝生の地面が、M字形に湾曲している。
阿蘇山山頂付近では、焦げたコンクリート製の建物や、
いくつかの大きな噴石を目にする。
こんなものが降ってきたら、ひとたまりも無い。
古墳のような形の米塚を過ぎると、杵島岳が目前にそびえる三叉路に着く。
このまま左に下れば目的地に向かうが、せっかくなので右にルートを取って山頂の「阿蘇火山博物館」を見学してみようということに。
「走行注意」といわれても、いったい何に注意したらいいのか、わからない。
まばらになった針葉樹の間を縫って上ってくと、展望台が現れる。
それまでは行き交う車は皆無だったのに、どこからやって来たのだろう。
阿蘇山から噴き出す噴煙を眺め、景観を楽しむ観光客がかなり居る。
高地だけあってさすがに風が冷たい。
周囲の景観を眺めてから、「阿蘇火山博物館」のある「阿蘇山上ビジターセンター」に入る。
しかし、入場料が800円だと知り、あっさり取りやめる。
阿蘇の噴火の様子をバーチャルで体験できるらしいが、ちょっと高すぎる。
一行は、阿蘇パノラマラインを下って阿蘇市方面へ。
途中、牛がのんびりと放牧されていた。