孵化
おはようございます。
暮らし、味わう。
食を通して豊かなライフスタイルを提案する
古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ
プロデューサー,バイヤーの太田 準です。
今から15年ほども前のことですが前職で媒体
企画・MD・直貿の担当をしていたカタログの
中で、ニューヨークのスティーブン•アランと
一緒にセレクトした商品やスティーブン・ア
ランのオリジナル商品を販売するという企画
がありニューヨークに出張しました。当時は
現在のようにユナイテッドアロウズと契約す
る前のことでした。彼と一緒に展示会を見て
回っていると「ハイ!スティーブン」って感
じで色んなブースから声がかかります(僕の英
語力に難があるのでディティールは分かりま
せんが苦笑)。彼のショップで打合せをしてて
も若いクリエイターがお店に飛び込みでやっ
てきては取り扱ってもらえないか?と売り込
みが始まります。スティーブンアランの目に
止まる、セレクトされることが、若手クリエ
イターにとって登竜門的な意味があったので
しょう。そしてスティーブンアランの店には
インキュベーション(孵化)機能があったとい
うことですね。その頃はインキュベーション
などという言葉も知りませんでしたが。
そう言えばインポートを扱うに際しての苦労
話を交えて単位というタイトルのテマヒマブ
ログも書きましたっけ。
テマヒマに何度かお越し頂いてるお客様の中
に倉敷本染手織研究所出身でノッティング椅
子敷きを作ってるというお客様に出会いまし
た。撮影用にテマヒマの空間使ってもいいで
すよ、といった話から始まり、実際に作って
らっしゃるノッティングを見て可愛らしさ、
座り心地のよさからどうやったらテマヒマで
お客様にご紹介出来るか?という相談をして
いました。
一枚織るのにそれこそかなりのテマヒマがか
かっており別のお仕事をしながらなのでそん
なに沢山は織ることが出来ません。椅子敷に
はウールのタイプと綿のタイプがありますが
ウールの方は素材の供給も難しいとのこと。
素材供給面、年間使えるということで藍染の
綿の糸を使う方向で。現在のところ考えてい
るのは、お客様にノッティングに実際に触れ座って頂き、お客様にいくつかの柄の中から
お好きなな柄を選んで頂きそれを織ってもら
うという受注生産方式。作家の田邊さんも、
お客様の顔を浮かべながら織る方が気持ちを
込めて織れると仰っていて、その言葉も素敵
だなぁと思います。モノづくりはそのヒトの
人柄がモノに出ると思います。
まずはノッティングというものを知ってもら
うということで昨日から縁側横のお二人席の
小島優さんの椅子の上に設置しました。ノッ
ティングとウィンザーチェアのコーディネー
トがすごくいい!テマヒマに来たお客様が座
り使い込むうちにどのように変化していくか
も楽しみです。何枚か織り貯まった段階で受
注生産方式の具体化を始めたいと思います。
食のセレクトショップと銘打ってるのに椅子
敷はアリ?かとも思いましたが、食卓で使う
ものですし、食を通して暮らしを提案すると
いうことだからアリ!でしょう^_^。糸偏出身
なのにショップの方は陶器が中心で、布物も
扱えてなかったので椅子敷だけでなくコース
ター、ランチョンマットなども扱っていきた
いですね。
テマヒマでお取り扱いさせて頂いている作り
手の皆様がテマヒマに遊びに来てくれること
も、ありますが、それ以外にもこのノッティ
ングを織られる方、和菓子を作られる方、書
道家の方などなど沢山の出会いがあるのもテ
マヒマを始めてよかったことの一つですね。
テマヒマブログ 伴走の回で、配り手としての
作り手のあり方を書きましたが、配り手には
孵化機能も必要だと思います。(ここで冒頭の
スティーブンアランの話にやっと戻る 苦笑)
オープンして半年そこらの店で孵化という言
葉はおこがましく、また今は作り手や使い手
(お客様)に孵化して頂いてる状態ですが、若い
作り手の皆さんと出会い、ともに育っていく
そんなテマヒマでありたいと思います。それ
こそが、以前も書きましたが、繋ぎ手であり
たいということだと思います。
今日も11時オープンで皆様のお越しをお待ち
しています。ランチは11時半のお時間がご予
約で満席のためゆっくりお越し頂くかのんび
り過ごせるスイーツタイムがおススメです。
昨日インスタに書いたような無断キャンセル
は今日はありませんように!
それでは今日もよい一日を!