ご夫婦の願いは同じです。個々に適応した治療を施すのに環境を整え、最善を尽くします...②

2019.04.29 01:05

操レディスホスピタル理事長　操良先生のお話

2018年11月発行『i-wish ママになりたい　20代・30代・40代の不妊治療』

■やはり年齢因子は大切なのですね？

私は、市民セミナーでも話しているのですが、女性の生殖年齢には限界があります。この情報をもっと若いうちからしっかり知っておく必要があります。不妊を予防するための啓発が必要で、情報をもっと若いうちから知っておくためには学校教育も大きく関係して来ます。

　感染症の予防も大切です。避妊の指導も大切です。ですが、子宮筋腫や、特に子宮内膜症の発育・進展はピルで防ぐことが出来ます。子宮内膜症や子宮筋腫をピルで予防し、妊娠を望むときにピルを止めれば子宮内膜症や子宮筋腫で不妊症になる人はもっと減るでしょう。

　生理とともに子宮内膜症は増悪するため、結婚し妊娠を希望した時に手術を余儀なくされ、卵巣機能を低下させることになるケースもまれではなく、これは避けなければいけないことです。

　実は、20代、30代、40代、現在のどの年代においても、この予防意識の啓発不足が影響して重篤なケースが起きていることが一番気になっていることです。

　ＡＹＡ世代のがん生殖医療においては受精卵や精子はもとより、卵子や卵巣組織の凍結保存が可能な時代です。

　卵巣組織凍結のような特殊な例は、岐阜大学附属病院と連携することで対応し、とにかく最善の方法を尽くします。

■産科があることでの利点も大きいのですね？

不妊は、妊娠さえすればよいというものでなく、安全な出産に結びつくことが肝心です。　

　その点では、妊娠中から出産時まで、安全に向けたケアができることは重要な意味を持っていると思います。

　また、胎児ドックも行っていますから、リスクのあるケースでの対応も一段と強化しています。