京都庭園散歩 仁和寺御殿(2019年04月)
概要は、京都庭園散歩 仁和寺 宸殿庭園(2016年11月)に載せています。
今回は観桜を兼ねて訪れました。二王門を入ってすぐ左手に入口の本坊表門があります。
本坊表門・遼廓亭(りょうかくてい)・飛濤亭(ひとてい)を除いて、御殿の建物は明治20年(1887年)に焼失して以降再建されたものです。本坊表門・遼廓亭・飛濤亭は重要文化財に指定されています。
本坊表門→御殿入口→白書院→黒書院(南側)→宸殿→黒書院(北側)→霊明殿の順に巡ります。
すべて回廊で結ばれています。なお、宸殿は現在改修工事中です。
本坊表門は慶長元年~慶長20年(1596年~1615年)の間に建てられたものです。
門を入ると右斜め正面に御殿入口の玄関が見えます。前庭には白砂に松が植えられています。正面奥の寺務所側と入って直ぐ左に桜があります。
振り返って本坊表門を見た景色。
玄関の右手(北)に、宸殿南庭と玄関前庭を仕切る築地塀に小門が開いています。
玄関を入って白書院へ繋がる鍵型に曲がった回廊へ。回廊の左(西)側の庭と右(東)側の宸殿南庭。
白書院は、焼失後明治23年(1890年)に建てられたものです。四季折々の松の襖絵は、1937年(昭和12年)に日本画家・福永晴帆によってが描かれたものです。
白書院から宸殿南庭に向かって仮設の見晴台が設置されています。宸殿南庭の勅使門方向(東側)と二王門方向(南東側)の景色。
白書院の北東角を曲がると、正面に黒書院に繋がる回廊と右手に工事中の宸殿が見えます。
黒書院への回廊から左(西)側の庭園。右手に見えている縁側のある建物が黒書院です。
黒書院は京都花園にあった旧安井門跡の寝殿を移築改造したもので、明治42年(1909年)竣工。内部は竹の間・秋草の間など6室からなっています。
宸殿が改修工事中のため、黒書院の北東隅から宸殿北側に沿って白木の仮設の廊下が設置されています。右手が仮設の廊下、左手が霊明殿です。
仮設の廊下から宸殿南庭。
五重塔の手前、池の対岸に建つ建物が飛濤亭です。第119代光格天皇遺愛の席と伝わる茶室で、入母屋造・茅葺で四畳半台目に水屋の間と勝手の間が付設されています。入口は躙口(にじりぐち)ではなく貴人口になっています。
仮設の廊下の北東隅から振り返ると、霊明殿と黒書院から霊明殿に向かう廊下が見えます。
黒書院から霊明殿への回廊から左側の庭と左奥にある遼廓亭。
遼廓亭は、仁和寺門前堅町から移築された茶室です。二畳半台目に四畳半の水屋と広間、控えの間、勝手の間で構成されています。立木の向こうに微かに見えるのが遼廓亭です。
霊明殿の北側。
霊明殿から宸殿北庭。
霊明殿北東隅から霊明殿の回廊と北側の景色。
改装工事中のため、宸殿から庭園は見れませんが、宸殿内部は見ることができます。宸殿は焼失後、明治42年(1909年)に着工し大正3年(1914年)に完成しました。入母屋造・檜皮葺きで内部は西から東にかけ上段の間・中段の間・下段の間の3室で構成されています。内部の絵画は、大正2年(1913年)に画家・原在泉により描かれたもので、上段の間には床に「遠山流水」と襖に春の「桜花」、中段の間には夏の「葵祭之図」と秋の「大堰川三船之図」、下段の間には冬の「鷹野行幸之図」が描かれています。
もう一度宸殿南庭の勅使門を見て境内へ。
2019年04月09日撮影