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現存在から実存へ

2019.04.29 00:06

4月29日、月曜日。

Friendが投稿した音楽を聴きながら、人間の宿命について考えを巡らしている。


人間を本質に先立つ存在と考える実存と、予定調和的な決定論が、私の中で不和を奏でている。


どちらの考えも、直感的には正しいと分かりながら、その相反する考えを統一する感覚を、私はまだ持ち得ていない。


今、という現在の瞬間に存在するあなたという存在を現存在と呼ぶとき、この現存在は、過去の結果により、成り立っている。

あなたは先祖から継いだDNAと、あなたが今まで摂取した食べ物、酸素を多く含む気体を大量に含んだ結果の身体で構成され、やはり先祖から継いだ気質にあなたが体験してきたこと、環境、読んできた本、出会った人々などとの相互作用により、あなたの現存在は成りなっている。


そして、その延長に明日のあなたが存在する、というわけではないことを、実存哲学は証明する。


では、明日のあなたを決めるものは何か。

明日は、過去の結果ではなく、今、あなたが成ろうとしたところのものに、明日はなる。


明日のあなたを決定するのは、時代やあなた自身の歴史も、出会った人からの影響も、宿命も超えて、未来を意思した現存在のあなた自身であり、その未来を纏った人間の在り方を、実存と呼ぶ。


キェルケゴールにショーペンハウアー、フッーサル、そしてサルトルに代表される実存哲学の思想は、いつの時代も未来を意思する者を鼓舞し、勇気づけてきた。

そしてその主張を現実に体現する者も多く存在してきた。

私の感覚も、人間が実存であることを知っている。


それに反し、物理的な未来が、過去としての現在に影響する、はっきり言えば現在に介入し、その現存在の在り方を変えるような感覚を持つことがある。

これもまた、直感的に正しい。


今、という時間を最大限まで伸ばし、例えば今聴いている音楽を人類の時間に重ねるとき、一人の天才という存在が、人類の誰にも宿っている共通のギフトのような、過去から未来にかけてすべてがつながって感じられるそのいわば予定調和と言われるような感覚もまた、私は知っている。

過去も未来も今という一点に収縮され、すべては今において完璧に感じられる。


さて、実存としてのあなたは、今、何をするだろうか。

今という完璧な瞬間において、あなたはこれから、何をするだろうか。


時間はまだ十分ある。午前中の間、Friendの投稿してくれた音楽を聴きながら、そのことを考えたい。