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松浦信孝の読書帳

1冊目 「横浜」をつくった男

2019.04.29 04:28

松浦信孝と申します。


小さい頃から読書を趣味とする26歳、社会人。


さっき読み終えた本について語ります。

高木彬光著 「横浜をつくった男」 光文社文庫


読書のすすめにて紹介され、最後まで面白く読んだ本。


自身も実業家として大成功、その後易の教えを生かし明治の政治家達のアドバイザーとして日本を陰ながら導いた男、高島嘉右衛門の一生を描いた本です。


明治維新周辺の歴史が好きな人にはたまらない。


高島家の恩義に応える鍋島武士の仁義に涙。


次々降りかかる苦難を易占と持ち前の精神性で克服する嘉右衛門の姿に我が身を振り返る。


明治日本、日本の近代草創期を人知れず支えた男の伝記。


割と新しいタイプの伝記なのではないか?


易者らしく、所々易占の結果が出てくる。この解釈の仕方が誠に勉強になる。


易経の教えというものは、運勢の上り調子の時と下り調子の時が循環していく。


最近のアメリカ式一次関数的な成功法則ではなく、その根底には循環の思想がある。


故に、大成功したときほど足下をすくわれやすく慎みが必要となり、苦境の時は困難を乗り越えるべく忍耐と誠実な歩みが必要となる。


しかし、必ず事態は再び好転する、そのためのアプローチが卦として示されるのが易経である。


どの卦がどう、だけでは未来は予測できない。


社会情勢に精通し、きちんと結果を読み解けた者のみが確かな未来を手にする。


易とは、そういう世界らしい。


読み終えて、易経を使える形で学ばないといけないと思い直した。


易経は只の占いではない。運命を導く羅針盤だ。


その羅針盤を使いこなすためには、才能と修練と、経験が要る。


易占の精度を上げ、道を過たないために心を磨く必要もある。


天命を全うし、生き切るために、死に切るために。


こんな時代だからこそ、易経を学ぶことに大きな価値を感じる。