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なるさ 療育学習室

もしも、昔話のキャラが発達障害なら

2019.04.29 21:59

研修で発達障害について説明することもよくあります。凸凹のある子どもの特徴について、昔話のキャラクターを例に出すと、発達障害の特徴をイメージしやすいようです。

今回は誰でも知っている「桃太郎」からです。


もしも、桃太郎がASD(自閉症スペクトラム)なら

鬼ヶ島へ行くことにした桃太郎は、おばあさんから「お腹かすいたら食べなさい」と言われ、きび団子を渡されました。鬼ヶ島までの道中、犬、さる、きじに「何をもっているの?」と質問され、「お腹がすいたら食べなさいと言われたきびだんごです」とだけ言い、そのまま一人鬼ヶ島へ行きました。


これは、ASDの思考の柔軟性の弱さや想像力の困難さが関係しています。また、字義通りに捉えやすい特徴もあらわれています。これだと仲間を作らずに鬼ヶ島へ行ってしまうパターンになります。


もしも、桃太郎のおばあさんがASDなら

おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました。おばあさんが洗濯をしていると、桃が川上から流れてきました。しかし、おばあさんは洗濯に没頭しすぎており、桃が流れているのに気付きませんでした。桃はそのまま下流へと流れて行きました。


これはASDの特徴のシングルフォーカスを表しています。ASDの方の中にはあるものを見ていると、他の感覚からの情報が入らないこともあるようです。このお話では桃はそのまま下流へといき、おじいさんとおばあさんが芝刈りと洗濯をしたことで終わってしまいました。


もしも、桃太郎がADHD(注意欠如多動症)なら

桃太郎は犬、きじ、さるを連れて鬼ヶ島へむかいました。しかし、途中、旅が楽しくなり、観光地めぐりをしてしまいました。


これは不注意と衝動性のコントロールの上手くいかない桃太郎です。鬼ヶ島へいく途中に、観光地に目が向き、観光したくなったのでしょう。目標行動を見失った桃太郎です。ADHDのお子さんも目標を見失うこともよくあります。



昔話を用いると凸凹の特徴は理解しやすくなります。誰でも知っているし、保護者さんは自分のお子さんとは少し距離をおいて客観的に特徴を考えられるということも利点に思えます。