一年、一度
2016.03.10 14:07
「こんにちは」テンガロンハットのまま扉を開けて中に入ると
「いらっしゃいませ」 テーブルの上を片付けている姿は
何方でしょうか? と言う表情。
ハットを取って「ご無沙汰してます」と軽く会釈すると
スッキリと思い出してくれて、カウンターへと招かれる。
「昨年は首を痛められて調子悪そうでしたけど、今年は少しお痩せにもなって、お元気そうでスッキリしましたね。」
昨年の首のことなどスッカリと忘れていたのだが、覚えていてくれたことがとてもありがたい。
「 お元気そうでなによりです。」 「 えぇ どうにか。 」
落ち付いた話し方、嫌味の無い声、ウッド主体の店内の雰囲気で、一年分のザワザワが帳消になる。
毎年ここへ来ると1時間程の時間で、前回からの一年を簡単に振り返る。
チーズケーキの横に自家製文旦マーマーレードが添えられて前に置かれると
それだけど良い香りがしてくる。
「 あ・・・ スッキリしていて ケーキと合いますね。 おいしいです。 」
「 販売となると、なかなか作る時間が取れなくて、 」
「 期間限定ではダメですか? お客様には食べれてた運が良いと感じていただければ 」
「 そうですよねぇ 」
ここから季節の果物の話になり、 お互いの頭の中で一年を廻らせていく。
珈琲は2杯目も終わり、ボチボチと寒空の街へと出なければならい。
毎年来ると いつも思うのだが、仕事が終わってから、帰宅前に立ち寄って1日の疲れを抜いていきたい。
毎日を穏やかに過ごせるのではないか、 そんな気がする。
荒れず、 そうして日々を送りたい。
静かに物事を考えられる、または、無、の時を 自宅でも。