決め手は金額だけではなく
先日、東京表参道店に北区のN様ご夫妻がお越しくださいました。
実はN様のご来店は3度目。
最初のご紹介の時と、少し前にも一度、
各社の見積りの途中段階で、ご相談に来ていただいておりました。
その際は私が出張で出ておりましたので、別の担当でご相談を承ったのですが、
いよいよ各社の見積りが出そろい、あらためて結論を出すためにということで
ご来店いただいたのです。
N様のご主人様は非常に几帳面な方で、
各社の見積り内容を細やかに分析され、それぞれの違いを一覧表にしてお持ちくださっていました。
お打合せがスタートする時点では、皆さんあまりご存じないのですが、
リフォームの見積書、特に大規模リフォームともなれば、
見積書の書式は会社によってバラバラで、
工事内容によってはまったく別々の項目に振り分けられていたりと
非常に複雑になっていることも珍しくありません。
見積書を比較すること自体が、相当むずかしく大変な作業なのです。
建築業界の経験が長い私たちの場合でも、
かなり時間をかけて読み解いていくことが必要になります。
N様はそんな作業を、ご自身でしっかりとされていらっしゃいました。
そして結論の決め手は・・・実は金額ではありませんでした。
もちろん、最も高かった会社は差が開きすぎていたために、候補から外れてしまったのですが、
残りの2社はほぼ同価格帯。
A社は地域に密着した展開のリフォーム会社で、とても話しやすいものの、
地元感が強いところが逆にご不安要素だった感じで、
もう1社のB社は立派なオフィスを構えているところに会社としての安心感を感じていらっしゃった様子です。
ところが、お打合せの様子をお伺いしていくと、気になる点が出てきました。
それは、
打合せの度にきちんと記録を残してくれているA社に対して、B社にはそれがなかったこと。
B社は当初の調査時には、お風呂位置の梁を見逃していたこと。
また、A社が再利用しようとする家具を細かく採寸してくれたのに対してB社にはそれがなかったこと、が分かってきました。
少しずつの差ではありますが、お客様のご要望に対してよりまっすぐに向き合ってくれているのは
A社なのだということが分かります。
そこで、A社は実は幅広いエリアで展開されており、大規模リフォームの専門部署まで構えている実力のある会社だということ、
今回は地域のショールームからの対応であるものの、
実は本部に引けをとらない実力のある方が対応いただいていること、などをご説明させていただきました。
すると、N様は心の中で決められていたのか、それが確信に変わったようなお顔で
「わかりました。決めました。」とおっしゃられました。
前回のご来店時にはB社が有力だったとの話ですから、大逆転になったのかもしれませんね。
N様はご夫婦ともにすっきりしたお顔で、喜んでお帰りになられました。
細やかな分析をされていらっしゃいましたが、結果、提案してくれる「人」の部分はとても大切なんですね。
あらためてそれを実感しながら、N様ご夫妻が帰って行かれるのをお見送りさせていただきました。
N様、ご来店ありがとうございました。
Kousuke Kitamura