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砕け散ったプライドを拾い集めて

この世は生きるに値する

2019.05.01 02:59

youtubeで2013年9月3日の宮崎駿の引退会見をまた見た。
まあ、これが彼にとって6回目!の引退会見なんだが。
声はいいのだが、どこかに訥弁を残したギザギザした喋りがズルい。〝このおっさん嘘を言ってないな〟って思わせるのに十分だ。

<僕は児童文学の多くの作品に影響を受けてこの世界に入った人間ですので、基本的に子どもたちに「この世は生きるに値するんだ」ということを伝えるのが自分たちの仕事の根幹になければならないと思ってきました。それは今も変わっていません。>

この後、もう少しフォローしている。

 <「この世は生きるに値する」については、自分が好きなイギリスの児童文学作家にロバート・ウェストールの作品に、自分の考えなくてはいけないことが充満していて、この中で、「君はこの世で生きて行くには気立てがよすぎる」というセリフがありまして、少しも褒めことばではなく、そんなことでは生きていけないぞと言っているんですが、本当に胸を打たれました。僕が発信しているのではなく、僕はいっぱい受け取っているのだと思います。多くの読み物とか昔見た映画とか、僕が考案したものではない。繰り返し言い伝えられてきたもので、ほんとかなァ?と思いながら死んでいったのではないか、それを僕も受け継いでいるんだと思います。>

こういうことを吐露しておきながら、ある記者からの質問へ、「僕は文化人じゃないんです。町工場のおっさんです。ですから、社会へのコメントはないのです」とかおっしゃる。

その町工場から生産されたものの一部。
━━『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』 『となりのトトロ』 『魔女の宅急便』 『くれないの豚』 『もののけ姫』 『千と千尋の神隠し』 『ハウルの動く城』 『崖の上のポニョ』……━━

これでは、へっぽこ文化人のたわごとを一撃で雲散霧消させるのに十分な圧倒的迫力なのです。 

「小金or金持ってるオッサンで浮気してなさそうなのは宮崎駿くらいしか思いつかん……」というのがtwitterにあって笑った。
まあ、そうだろうと思う。
でも、ゲーテのように80歳で18歳の娘を口説いて思いっきり肘鉄を食らっている宮崎駿を見るのも悪くない。