京都庭園散歩 妙心寺塔頭 退蔵院(2019年04月)
場 所:京都市右京区花園妙心寺町35
拝 観:無休
拝観料:600円
拝観時間:9:00~17:00(受付終了)
室町時代の応永11年(1404年)京洛に居を構えた波多野出雲守重通(開基)が妙心寺第3世無因宗因(むいんそういん)禅師を開山として建立。その後衰退し、更に応仁の乱により妙心寺とともに焼失。慶長2年(1597年)になって、後奈良天皇の帰依が深かった亀年禅愉(きねんぜんゆ)によって再建され、今に至ります。
今回は春期特別公開で観桜を兼ねて訪れました。なお、秋期については京都庭園散歩 妙心寺塔頭 退蔵院(2016年11月)に載せています。
山門(薬医門)前で受付を済ませ山門を潜って境内へ。(境内側からの山門)
順路に従って拝観していきます。(境内図、パンフレットより転写)
山門前から庫裡前の庭(正面と左手)。
庫裡の横側から山門と庫裡。
庫裡の横にある観世音菩薩立像。
庫裡の側面を通って方丈へ。方丈は、応仁の乱により焼失後、慶長2年(1597年)に再建されたもので、開祖の無因宗因禅師を祀っています。袴腰の大玄関とともに重要文化財に指定されています。
袴腰の大玄関を潜ると方丈南庭に出ます。右奥に「元信の庭」の立て札が立っています。
方丈に上がって、方丈の南庭。
方丈の西側に、室町期の絵師・狩野元信が作庭したと伝わる枯山水庭園「元信の庭」が広がっています。白砂に枯滝・蓬莱山・亀島と石橋など多数の庭石が配された庭園で、昭和6年(1931年)に国の名勝に指定されています。
方丈南西隅から西側の「元信の庭」
方丈南西隅にある蹲踞
方丈南西隅から右(西)側の「元信の庭」
方丈の北西隅から見た「元信の庭」
中央右よりの奥に立石と玉石で枯滝を表現し、中央の亀島に石橋が二つ架かっています。
方丈の内部より見た南庭と「元信の庭」
方丈床の間にある「瓢鮎図(紙本墨画淡彩瓢鮎図)」。方丈にあるのは模写で、本物は京都国立博物館に寄託されています。室町幕府4代将軍足利義持の命で制作されたもので、室町水墨画の先駆者・如拙の作。如拙筆の確証がある数少ない作品の一つで、日本の初期水墨画の代表作の一つです。(国宝)
方丈の北西の角を曲がって、方丈の北側へ。方丈の北側には、向側の書院と東側の回廊とで囲まれた中庭があります。
方丈の北東隅から見た中庭
書院は通常非公開ですので、戻って「余香苑(よこうえん)」の方に向かいます。順路に従って方丈の入口から南庭に下り、露地を通って余香苑の入口へ。
門を潜ると正面に大きな紅枝垂桜があります。
入って左側の「陽の庭」と
右側の「陰の庭」。敷き砂の色が異なる陰と陽の庭は、物事や人間の二面性を表しているのだそうです。陰の庭に8つ、陽の庭に7つの石が配されています。
紅枝垂桜の左側の園路の奥に石塔があります。
四阿(あずまや)の手間にも桜があります。この桜は奥の藤棚の辺りから瓢箪池越しに見える桜です。
四阿
四阿を過ぎて売店の手前に蹲踞と水琴窟があります。
売店を抜けて大休庵を左に進むと藤棚があります。藤棚の前あたりから四阿の方の景色。
藤棚を過ぎて待合のある辺りの景色。
2019年04月09日撮影