Fethiyeのオールドタウンを歩く
12月の滞在と違って、春のFethiyeは晴天続き。毎日気持ちの良い風が吹き、洗濯物もよく乾く。
家にいると、庭に放し飼いされている大家さんの鶏の声が聞こえ、どこに行かなくとものんびりとした気持ちになって、ついつい出不精になってしまっている。
そんな中、手元の現金がなくなったのを機に、両替ついでに中心街にあるオールドタウンへ足を伸ばした。
冬は閑散としていた通りも、この時期になるとぼちぼち観光客も増え、カフェもポツポツと賑わいを見せ始めた感じ。
何と寿司屋もあるのだけれど、寿司屋というよりカフェ感覚・・・。
冬は見なかったキリム屋さんをのぞいて、店主と話したり、通りをぶらぶらと歩く。
そろそろドルムシュに乗って、帰宅しようと思ったら、店先にあったオヤ(トルコのレース編みの飾り)付のスカーフに目が止まり、その店に入った。
「Merhaba!(メルハバ:こんにちは)Hos geldiniz(いらっしゃいませ)」
スカーフをかぶった笑顔の女性が、迎えてくれる。
「表のオヤが気になって」
「ああ、あれ、義理の妹が作ってるんですよ。可愛いでしょう?」
「他の種類はないのかしら」
というところから始まって、なんだか話が弾み、旦那さんも奥から出て来て、私と奥さんのためにチャイを注文してくれる。(自分は飲まず。なんと民主的な旦那さんだろうか・・・笑)
なんと彼はイスタンブールのFatih(ファーティヒ:グランドバザールがあるあたり)出身で、以前はイスタンブールのグランドバザールに店を持っていたそう。でも誰かの話がきっかけで、フェティエに引越しを決断したのだそう。その間半年くらい?のスピード決断だったそうで。
グランドバザールに店を持ってた頃は、海外に卸しもしたりしてたし、順調だったけれど、ある時から売れなくなって・・・。でもそのおかげで今の生活がある。あのまま続けてたら、イスタンブールから離れようなんて思わなかっただろうからね。
今は店の裏には庭があって、子どもを伸び伸びと遊ばせられるし、空気も綺麗。
店の上が住居だから、ご飯食べるのも、家で作ったものを食べられる。
イスタンブールから引っ越して来て、本当に良かったよ、と夫婦揃っての笑顔。
一人娘のゼイネップちゃんが、スカーフを手に持ってくるので、頭に巻いてあげる。
2人いる子どもは11歳の息子と5歳の女の子。
この日は、国民主権と子供の日の翌日で、学校でダンスを披露したのだそう。
奥さんがスマホの写真をいろいろ見せてくれる。学校でのダンスの様子、グミの木に登って実を食べている写真・・・などなど。
小さなチャイを片手にどれだけ話しただろう。
「本当に出逢えて良かった。また来ます」
「こちらこそ。是非また遊びに来てね」
始終笑顔の夫妻との会話に心がほのぼのとし、帰途へ着いたのだった。
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