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青と檸檬

メイ

2019.05.04 08:16

初夏

すべらかな白い二の腕をはしる

幼い溜息が屋根の上にのぼって

ミント・グリーンを街に降らせた

静寂ほど騒がしいものは他になく

サンダルに溜まった透明を濁らせる

ゆれる白昼夢

そう思っていたものこそが世界

かつて誰かに背中を刺された人が、愛に名前をつけた

そのときからずっと私の幻肢痛は消えない

唇に拒まれたままの声は

死にかけの昆虫のように脊髄の周りを回っている

足裏を青が脈打つ

生命は皆、何かを裏切っている

薄めた夜を今日と呼んで

知らない人間を思い出と呼んで


そして、朝を迎える