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食べる口を作る swallow

▪️管理栄養士として

2019.05.06 02:51

嚥下機能の状態、口腔内の状態が見れるようになっても、私は管理栄養士であり、

歯科衛生士でなければ、言語聴覚士でも

ありません。栄養士として、食べることすべてをコーディネートするには、あとは食事の内容だと考えるようになりました。


食べる口を整えたら、その状況に食事の形を合わせていかなければなりません。

当時の病院の食事形態は、噛むことが困難な場合には、常食と呼ばれる普通の食事を包丁やフードプロセッサーでみじん切りにする「刻み食」、刻み食が食べられなくなると、ミキサーにかけてドロドロの流動形にした「ミキサー食」、それもむせたりして食べられなくなると濃厚流動食をゼラチンで固めた「ゼリー食」という食事を提供していました。

ゼラチンで固めているため、冷蔵庫で冷やしていて、患者さんはいつも冷たいゼリーを召し上がっていました。

しかも、必要な栄養量を摂るためには、

甘くて冷たいゼリーをたくさん食べなければなりません。

患者さんからは、「飽きた」、「温かいものが食べたい」、「しょっぱいものが食べたい」と言う声が聞かれていました。

その声に応えたいと、たくわんでゼリーを作ってみたり、濃厚流動食をコンソメ味のポタージュのように出来ないかと試したりしていました。

しかし、いくら味を変えても、ゼリーにするのはゼラチンなので、温かくすると溶けてしまうため、冷たいという課題は解決できませんでした。

ゼリー状に固める材料を、特殊なものにすれば溶けないゼリーを作ることができるのですが、18年前の当時は、まだ種類も少なくコストも高く、調理の技術も発展の途中でした。

病院の給食は外部業者に委託しており、細かな調理作業や材料にコストがかかるものを受け入れてもらうことが難しい状況でした。

それと同時に新たな疑問も浮かぶようになりました。


無事に治療が終わり、リハビリも進み、自宅や施設に退院した患者さんが肺炎を起こして再び入院してくるケースが意外にも多いことがわかりました。

「どうしてこのような事態が起きるのだろう?」「在宅や施設では、どのように食事をして、口腔ケアをしているのだろう?」

「在宅や施設の方にこそ、口腔ケアや食べる環境についての知識を広めるべきじゃないのか⁇」と考えるようになり、病院を退職しました。病院を離れてからは、特別養護老人ホームを経て、今は有料老人ホームを運営する企業で、管理栄養士として勤務しています。

介護スタッフの方に向けた【食べる仕組みの勉強会】や、施設の入居者さんの食べる環境を整えるために【食べる姿勢】【食事形態】【食事介助のテクニック】【口腔ケア】までトータルで提案することをしています。

また、地域の方にも知っていただく機会を作るために、千葉市の生涯学習センターにボランティア登録をして、セミナーを開催する活動も少しずつ始めています。


このような思いを抱き、行動したいと考えられるようになったのは、院長先生と黒岩先生との出会いがなければ、あり得ませんでした。お2人へ恩返しができるとしたら、それぞれの先生からいただいた『種』を育てて芽を出し、私なりの花を咲かせ、そして次の世代へ種を繋いで行くことと思っています。他にも今まで出会ったたくさんの方々に支えていただいたこと、患者さんから学ばせていただいたことがあり、今日の自分があります。感謝の気持ちを忘れずにこれからも日々精進して行きたいと思います。


サイトをスタートしてから4回にわたり、

自分史というと大袈裟ですが、新卒で栄養士の仕事に就いてから現在までの代表的な歩みを書いて来ました。

私の職歴と、このサイトを立ち上げるに至る思いをご理解いただけたのではないかと思います。稚拙で自己満足な文章をお読みくださりありがとうございました。


次回からは改めて、日々感じたこと・知っていただきたいことなどを発信して参りますので、またこちらに訪れていただけたら嬉しいです。

これからもよろしくお願いいたします。





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