レンタ彼氏『OMI④』
2019.05.05 09:00
「ねぇ、臣くんって呼んでいいの?」
「隆二には見えないだろ?」
「そうだけど…」
「お前んちどっち?」
「こっちだけど、コンビニ寄ってもいい?」
「あ!待って、眼鏡掛けるから」
そうよね。
そのままだとコンビニ客、パニックになるよね。
小さな町だし…
コンビニの中は時間も遅いせいか、一人の客もいない。
中に入ると、奥で待機していた男女のスタッフが出てきた。
「ちょっと!!あの人そっくり」
女性スタッフが臣くんを見てすぐに反応した。
「まさか❗そっくりさんじゃないの?」
男性スタッフが鼻で笑っている。
臣くんは気にする風でもなく、お酒が陳列してある棚の前に立って、口を尖らせている。
「本物だったらどうしよ!」
「臣くん推しで有名だもんな、お前」
私は臣くんの横に立ち、小声で話した。
「臣くん、バレないの?」
「何が?」
そっか…
私も本物だって前提で話してる。
リアルな臣くんがレンタル彼氏で派遣されるわけない。
「なぁ、お前んちロック氷ある?」
to be continued…