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NATURAL BORN HEROES

UTMFにはじめて出場される方へ。

2019.05.06 01:24

UTMF経験は今回のUTMF2019の1回だけ。100マイル自体も信越五岳2018とUTMF2019の2回だけではあるのですが、信越五岳2018では総合150位→UTMF2019では総合45位、といろいろと改善を図ることができました。UTMFで45位は信越だと20番代じゃないかな?


大した学びではないし、マイラーの諸先輩方からすれば「おいおい偉そうなこと言ってんじゃねーぞ」と言われてしまいそうですが、いくつか心得的にメモしておきますね。(基本的には一般的なトレイルランニングレースの準備はできている前提で、プラスアルファの内容を)。


1. UTMF前はとにかく睡眠時間を確保せよ。

前日は8時間前後は確保しましょう。100マイルの最大の敵は「眠気」だと僕は思います。眠気が出始めると、ふらつく、足が前に出ない、気持ちをポジティブに持っていけない、という三重苦が待っています。信越五岳はこれにまんまとやられました。

必ず眠気は襲ってくるものですが、少しでもその現象の発生を遅らせるためにも、できる限り睡眠時間を確保しましょう。


2. UTMF10日前から「睡眠ローディング」を。

「睡眠ローディング」って言葉があるかわかりませんが、10日前から睡眠時間を長く取れるように調整しましょう。睡眠は万能薬です。細かいテーパリングの手法は多々ありますが、それより何より、とにかく寝ることのほうがよっぽど回復します。

10日前から焦ってトレーニングしても走力は上がらないので、潔く眠るようにしましょう。僕の周りで失敗している人は、仕事が忙しくて眠れなかったり、飲み会を入れてしまったりしていて、睡眠時間をうまく確保できていなかった、というパターンがけっこう散見されています。仕事の調整、もUTMFの準備の一つですね。


3. カフェインマネジメント、を身につける。

レース前1週間くらいは、カフェインを抜くようにしましょう。そしてレース中は大いにカフェインを活用しましょう。

カフェインは眠気を予防してくれるだけでなく、疲れも一時的ではありますが吹き飛ばしてくれるので、ここぞというときに使えば「スターモード」「野生化」のスイッチになってくれる可能性があります。

一方で刺激が強いため、多様すれば胃を荒らしてしまい、トラブルの原因にもなります。トレーニング時からカフェインをうまく活用するテストを行い、自分なりの補給ルールを確立させておきましょう。

ちなみに僕の場合のカフェインルールは、

  1. レース前半は摂取しない。少なくてもレースの2/3が終了してから摂取する。
  2. カフェインを摂取する前後の飲料は真水にする。
  3. MAGMAなど、回復系のサプリを併用する。

この3点です。ご参考まで。


4. シューズの履き替え、ウエアの着替えを戦略的に楽しむ。

トップを競い合うランナーはそんな個としないかもしれませんが、シューズの履き替えはとてもおすすめです。

100マイルという途方もない距離を、同じシューズで完走するということは、同じ皮膚、同じ筋肉にひたすらにダメージを蓄積させるということであり、どう考えても得策と思えません。

今回僕は2つのシューズを準備。前半はNIKEの「テラカイガー5」、後半はALTRAの「ティンプトレイル」で挑みました。

靴を履き替えると同時に、靴下も履き替える。ついでにワセリンも塗り直す。こうすることで、マメや水ぶくれなどのトラブルはまったくなく、平和にゴールまでたどり着くことができました。

一方で、ウェアも着替えを用意しておくことをおすすめします。何より「お着替え」は楽しいですし、今回のような雨や雪のコンディションにおいて「乾いたウェア」は正義であり、神です。

多少かさ張ったとしても、ザックやドロップバックに忍ばせておくことは、多くのランナーにとって(一部のスピードランナー以外)正解だと思います。


5. アミノ酸をうまく取り入れる。

多くの人がUTMF装備一覧、みたいなものをインスタにあげていて、補給食もそこに含まれているので閲覧したりするのですが、糖質ばかりのラインナップで、アミノ酸系が少ない場合は非常に多いと感じました。

正直フルマラソンくらいのペースだと、アミノ酸をレース中に摂取しても吸収から効果がでてくるまでに時間がかかるのであまり効果実感はない(疑わしい)のですが、マイルレース位になると、前半で摂取していたアミノ酸の効果を実感することができます。

アミノ酸はもともとの味が独特(正直に言うとまずい)なので、どんなに加工いてあってもレース後半だと摂取しづらくなることがあり、できる限り自分の口に合うものを探し当てておくといいと思います。


6. フル装備で最低2回は山に入っておく。

すべての準備を揃えた上で、それをザックに収納し、UTMFスタートと同じ服装で事前に山に入っておくことをおすすめします。できれば50km以上、10時間以上、さらに可能であれば夜間トレイルも。

今回僕は反省しかないのですが、UTMF週になって装備を買い足しにいくのはナンセンス。せっかく数ヶ月前から装備一式は公表されているので、3週間前にはすべてを揃え、一度その装備で走っておくことを強く推奨します。

UTMFの装備一式+αを詰め込むと、おそらくいつもトレイルを楽しむときよりも荷物が膨らみ、重さも増すはずです。この微々たる違いをちゃんと経験できているかどうか、はとても重要で、「あ、肩のここにあたるな」とか「ワセリンはここにも塗ったほうがいいな」とか、そういった気付きを事前に得られることは、大きな不安払拭になります。


7. ワセリンを携帯しよう。

ショートレースでは必要ないと思いますが、ロングレースでは何が起こるかわかりませんし、スタート前に塗ったワセリンが今回のように雨とともに洗い流されてしまうことも多々あります。

そのため、ワセリンは携行したほうが得策。僕はガーニーグーの小さいサイズのものを携行しましたが、安心材料になってくれました。

少しでも「あれ、靴の中がずれてるかも」とか「股擦れしちゃうかも」と思ったら立ち止まって補強する。それくらいの余裕があったほうが100マイルはうまくいくと思います。


8. エイドで長居しない。

100マイルレースはエイドも豪華。UTMFは特にそうで、焼きそばや湯葉ご飯など、美味しい補給食が毎エイドごとに待っています。

もちろんこれも100マイルの楽しみのひとつなので、すべてを食するフードファイト的な楽しみ方も否定はしないのですが、それでも長時間エイドにとどまることはおすすめしません。

信越五岳での僕の大きな反省はまさにこれでした。エイドで10分以上滞在してしまい、そのたびに温まった体を冷やしてしまう。エイドを出て体に火を入れ直し、またエイドで冷やす・・・ということを繰り返し、最終的には完全にバタンキュー。

エイドで休んでも(休み方が重要)なかなか体力は回復いないので、相当辛くない限りは(後ろ髪惹かれつつ)早めにエイドを後にすることをおすすめします。