Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

nessseas

#E01 〔ハーレム〕

2014.03.17 08:46

2014.3.17 Suite KooDoo #E01 〔ハーレム〕


昔の話かもしれない。本当の話かどうかもわからない。

リアルの話か、ネットの話かもわからない。

今から書くのは、そんな適当な話。


おれは沢山の人が好きだった。

おれが好いた人は皆、おれを好いてくれた。

おれは、おれを好いてくれる人、全員のおれで在りたかった。

だからおれは、おれと、おれの好きな人全員で、居れば良いと思った。


それを皆に話した時点で、その計画に無理があることがわかった。

おれは皆の事が好きだったけれど、皆の一人一人が、お互いを好きな訳ではなかったから。


それでも、おれが好きで、且つ、お互いが仲良くできる人達が残った。


けれど、やっぱり駄目だった。

おれの体が一つきりで、週末は2夜しかないから、誰かを必ず寂しくさせてしまった。

(さすがにそこで複数の人を同時に相手することは、想定外であった)


おれが頑張ればなんとかなるはずと思っていた。

けれど、朝から深夜まで、自分の活動限界まで頑張ってみても、駄目だった。

寧ろ、頑張れば頑張るほどに、色々な都合で生じるロスで、おれ自身がイライラしてしまっていた。


「どうやったらおれが好いた人、全員が幸せになるだろうか?」おれは考えた。

そして出た結論は、こうだった。


「おれが自分の決心で、たった一人だけの相手を選ぶ事」。


自分の体はひとつで、自分の腕は2本しかなかった。時間も有限だった。

おれが自分の欲求のままに、何人もの人を幸せにしようだなんて、只の傲慢であった。

自分が好きというだけで、何人もの相手をしても、それは悲劇しか生まない。

好きならば、好きだからこそ、自分でその人たちを縛ってはならない。


おれに出来たことは、おれの好いた人たちが幸せに生きることを願うだけだった。


人間本気になれば、たった一人だけなら、心の底から愛せるし、救える。

たった一人だけなら。

それ以外は限りなく無理というのが、とりあえずのおれの結論ではある。


慣れれば、もう一人位は追加できるかもしれないけれど

大体慣れる頃には子供が出来てて、その枠は子供に取られるんだろうな。


…などという妄想、かもしれない。