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マヤ

レンタ彼氏『OMI⑥』

2019.05.08 04:47

「あの…登坂広臣さんじゃ?」



レジに立つ女性スタッフが顔を真っ赤にして臣くんに尋ねた。



「よく言われるけど」



臣くんはそれだけ言うとニコッと微笑みを返して店を出ていった。



「あー❗やっぱそうだよね💦がっかり💦」



おい、スタッフ!



まだ外に立ってるのに、そんな大きな声出したら聞こえるでしょ。



私が外に出ると、臣くんは不機嫌そうに言った。



「早くしろよ、さみぃし」



「ごめん💦臣くんライダース返すから」



「いや、それは着とけよ」



「それよか、家どっち?」



「ん?こっちよ」



「早く帰ろ」



臣くんは空いている手を差し出し、半ば強引に私の手を取った。



歩き出した彼に引っ張られるように早足になる。



「あの、私の買い物した分の代金払うから」



「いいよ」



「また今度、美味いブレンドでもご馳走してくれ」



コーヒー好きも一緒だ。



「すみません…」



「敬語禁止な」



「…はい」



彼は急に立ち止まり、舌打ちをして私を見た。



「け…敬語やめる」



「…ったく、行くぞ」



「臣くん、あのね」



「んだよ?歩くの早ぇか?」



「違う」



「うち、ここよ」



to be continued…