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政府の思うツボ 70歳繰り下げ支給で・・・

2019.05.09 06:06

 令和の年金改悪 突っ切る知恵 


 【転載開始】


 ■政府の思うツボ 70歳繰り下げ支給で 

 「受給額1.5倍」はウソ 

 公開日:2019/05/08  


 おいおい、ちょっと待て。 

そう思った人もいるだろう。 

厚生年金の加入は70歳未満 

だが、安倍政権は、その加入 

期間を延長しようとしている。 

支給開始年齢も75歳まで 

段階的に引き上げる考えだ。 

政権は否定するが、 

大手メディアの報道が相次ぐ 

ことからみて、間違いない 

だろう。 

政府は加入期間を延ばし、 

受給年齢を繰り下げたら、 

受給額が増えるとアピールする。 

数学的には当たり前だが、 

繰り下げ受給は本当に得なのか――。 


   ◇  ◇  ◇  


 一般に年金は、65歳から受給 

する。 

サラリーマンなら、国民年金を 

ベースとした老齢基礎年金と 

厚生年金部分の老齢厚生年金で、 

これらの支給を65歳より早める

のが繰り上げ、65歳より遅ら

せるのが繰り下げだ。  


 高齢者雇用安定法で希望すれば 

65歳まで働くことができ、 

社員の定年や再雇用での退職時期 

を遅らせる企業も相次ぐ。 

65歳を越えても働くのがこれから

の流れで、十分な収入が見込める

人は繰り下げを考えるだろう。 

十分でなくても、受給額を少しでも 

増やしたいと思って繰り下げる人も 

いるはずだ。 


 では、繰り下げで増える金額は、 

どの程度か。 

65歳を基準に受給を1カ月遅ら 

せるごとに、年金額が0・7% 

上乗せされ、1年で8・4%。 

現状の加入上限の70歳まで繰り 

下げると、42%増。 

65歳との比較で、ほぼ1・5倍だ。


 たとえば、昨年度の老齢基礎年金 

で考えると、満額は77万9300円。 

それを70歳まで繰り下げると、 

110万6606円にハネ上がる。 

月額6万円チョイだったのが、 

10万円近くに。 

健康で長生きに自信がある人なら、 

「はい、喜んで」と繰り下げを 

考えるかもしれない。 

それだと、政府の思うツボだ。 


 独協大経済学部教授の森永卓郎氏 

が言う。  


 「年金の繰り下げで話題になる 

割増額は、額面価格です。税金や 

社会保険料を差し引くと、手取り 

額は減る。受給額が増えるほど、 

税金は高くなるため、繰り下げ 

受給で額面金額が上がった人ほど、 

税額アップの影響を受けやすいの 

です」  


 65歳以上には、「公的年金等控除」 

として120万円が控除される。 

70歳まで繰り下げたら、基礎年金 

と厚生年金を合わせると、控除の枠 

からあふれる可能性が高い。 

そのため、実際の手取り額は、額面の 

9割、場合によっては8割に落ちる 

こともある。 


 その点に着目すると、ヒントが見え 

てくる。 

たとえば夫がサラリーマンで、妻が 

パートなどの主婦の場合、夫の老齢 

厚生年金を65歳で丸ごと受給し、 

妻の老齢基礎年金を繰り下げるプラン。 

基礎年金の繰り下げなら、控除の枠 

からはみ出るリスクは少ない。


 ■特別支給のもらい損ねを防ぐ 


 もうひとつ、現在60歳前後の 

人は、老齢厚生年金の特別支給を 

受けられるオイシイ世代

(1961年 4月1日以前生まれ

=58歳以上)。 

厚生年金の支給開始年齢が60歳 

から65歳に引き上げられたこと 

に伴う時限措置で、定額部分と 

報酬比例部分からなる厚生年金の 

うち報酬比例部分についてのみ、 

60から65歳まで受給できる 

仕組みだが……。  


 「特別支給の老齢厚生年金は、 

65歳から受給できる“本来の 

老齢厚生年金”とは別物。ところ 

が、その通知ハガキを見た人は、 

『65歳より早く受給すると、 

本来の年金を繰り上げることに 

なり、特別支給をもらうと、 

年金が目減りするのではないか』 

と誤解して、請求しない人がいる 

のです。特別支給分は、本来の 

老齢厚生年金の繰り上げとは全く 

関係がありません。両者を混同 

して、特別支給分をもらわない 

ことを繰り下げと勘違いすると、 

損です」  


 特別支給の老齢厚生年金は、 

“働きながらもらえる年金”といわ 

れる。 

しかし、働き過ぎると、目減り 

する。  


 「65歳までは、年金額と給料の 

合計が28万円を超えると、超えた 

分の半額が減額されるのです。たと 

えば、仕事の月給が20万円で特別 

支給分が10万円だと、超過分2万円 

の半額の1万円が減額され、特別支給 

は9万円になります」 


 特別支給分を受給できている人も、 

多くは働いていて、それなりの減額 

を受け入れているはず。 

繰り下げもダメで、働き過ぎも損と 

なると。 

実は、雇用延長しない方がいいのだ。


 ■退職金 大企業は中小の2倍  


 退職金の金額によって老後の生活は、

大きく変わる。 

年金の戦略も左右されるだろう。


 たとえば、東京都産業労働局の 

「中小企業の賃金・退職金事情」 

(平成30年版)によると、モデル 

退職金は、 高卒が1126万8000円、 

大卒が1203万4000円だ。 

モデル退職金とは最終学歴の学校を卒業

してすぐに入社して、60歳で定年した

場合で、浪人や留年などをしていない人

が一般的な能力と成績でステップアップ

したときの 金額だ。  


 中小企業だと、大卒も高卒も 

1000万円が相場だが、上場企業だと

倍増する。 

経団連と東京経営者協会の 

「退職金・年金に関する実態調査結果」 

(2018年9月度)によると、 

ホワイトカラーの退職金は、 

大卒が2255万8000円、 

高卒が2037万7000円だ。 

高卒の現業でも、1817万2000円 

と2000万円に近い。 


  退職金も年金も、現役時代の月給に 

連動するだけに、退職後も格差は引き 

ずられることになる。 


 【転載終了】 

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  酷い国になったものです。

  

 というより、戦後70年自民党政治です 

から、何ら変わっていないのでしょうね。