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注目FC経営トップに聞くフランチャイズビジネスの魅力

2019.05.09 12:51

FC系の顧客と向き合う場面が増えて来たため、その勉強用の1冊です。

前々職では予算の大きい顧客の課題に向き合う事が多かったですが、FCはどちらかと言うと多店舗が少額で各自でプロモーションを行っていて、その集合体としてFC本部が取りまとめている、といったイメージです。なので、今までと異なる業態も多く非常に面白いです。

■総論

人材育成、成功モデルの展開、失敗リスクの軽減、独立志向の醸成、などの観点から、FCというのは裾野を広げる事に非常に向いているビジネスモデルだと感じます。FCへの加盟金などが高いか安いかは、考え方次第なところもありますが。

ただ、社会的意義のある業界なども多くてとても良いと感じます。今までマネタイズの観点で手が届かなかった点を創意工夫で解決し、そのノウハウを横展開して、やがて群れになって規模拡大していく、といった図式です。


■フランチャイズ業界

日本でのFC展開は1963年で、2017年度調査では、総売上高25兆円、本部数1340、店舗数26万と、とても巨大な産業に成長しています。中でもコンビニ(CVS)は圧倒的で、本部数は全体の1.6%、店舗数は22%であるのに対し、売上高では43%のシェアとの事です。


■FC本部の役割

FC本部は「加盟店を永続的に繁栄させ続ける事」が最大の使命だそうです。そのために、商品力強化、マーケティング機能、マネジメント、オペレーションレベル向上、などの具体的な役割を担います。


■加盟店の役割

一方で、FCの加盟店は「本部ノウハウを忠実に実行することで、収益の最大化」が使命だそうです。業務の効率化やノウハウの伝授など、本来自分で独立開業した場合に負担すべき工数を、実質すべて本部が担ってくれるため、加盟店は足元の運営に集中できます。


FC関連のデータについては、経産省が細かくまとめた「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査報告書」があります。


■FCローン

店舗を運営していく上での必要な資金や不足が発生した際に、本部から迅速なローン貸与を受けられる制度があるようです。通常ならば、日本政策金融公庫や民間銀行、VCなどに個別に当たり交渉するところを、スムーズに実行してくれるとのことで、とてもベネフィットが大きいと思います。


■組織図

非常に見づらいですが、だいたいのFCの組織形態はこんな感じなのだとか。中でも、赤字にした加盟店開発・物件開発の部門(いわゆるFCオーナーを開拓する営業部隊)はとても重要だそうです。特にFCの場合はリアル店舗となる(事が多い)ため、物件開発もセットでやる必要などもあるのだとか。セブンを出したいオーナーが居ても、その方の近辺に出店できるお店が無ければ意味が無いので。なるほどです。


■FCオーナー負担金など

多少丸めた数字とは思いますが、おおよそのFC加盟するための費用感もセットで記載されていました。業態によって金額規模は大きく変わってきますが、全体の構成としては似たようなものかもしれません。

・初期の加盟金(どこも必須)

・年間費(ロイヤルティの場合は数%ほど、本部が実施するマーケティング費用も)

・その他(システム利用、開業支援、販促物、研修など)

あたりが組み込まれています。


■収益モデル

うちのFC加盟してくれたら、だいたいこんな収益になるよ、って話も載っていました。ここらへんはFCオーナーの力量とかその他条件によって大いに変わってきそうですが。



■面白かった点を羅列

以下取り組みは面白いと感じました。

□JACOFのロングテールSEO取り組み

外壁塗装とかの問合せを自社コンテンツページに集めて収益化を図っていますが、SEOへの取り組みを意識しているが面白い。

外壁塗装の問合せは、掛け合わせなど95%がロングテール。FC加盟店には積極的にコンテンツページ内で塗装関連のブログを書いてもらい、なるべくSEOの検索で引っかかるようにしている。加盟店も流入数が増え、JACOFもPV数が増えwin-win


□レスQセンターのノウハウ

本部が提供するベネフィットの一つとして、研修やマニュアルなどのノウハウがあり、レスQには過去20年間12.5万件の対応マニュアルが存在する。蓄積したノウハウが自社の強みになっている。


□やる気スイッチグループ

バイリンガル幼稚園(KDI:Kids Duo International)に卒業生が優秀で、園児のうちにほとんどが英検3~4級取得、年長クラスの平均IQは144(東大生平均120)。幼児の頃から知能を引き出す柔軟な教育がいかに必要かがわかる事例。途上国の教育モデルとして持ち込むのも良さそう。


□ユニバーサルスペースの介護リフォーム

タブレットにAI見積もり機能を搭載したアプリを導入。従来のモデルでは、老人宅に訪問し、持ち帰って見積もりを出して工事完了まで1~2ヶ月を要していた。ユニバーサルで導入したAIアプリでは、その場でAIが見積もり判断する事で、顧客もその場で発注判断でき、即工事に取り掛かれるメリットが大きい。工事完了まで10~14日(通常の1/6~1/2の速さ)