貧乏草 2019.05.10 13:17 (ハルジオン:キク科)この植物には「貧乏草」という俗名があり、家人はこれを庭先に見つけると、「貧乏になるから……」と言ってすぐに引っこ抜いていた。北アメリカ原産ながら、可愛いらしいところが十分にあるこの植物に、なぜこんな俗名がついたのだろう?さらに追いかけて、「この花を折ったり、摘んだりすると貧乏になる」という巷間の伝えもあるというではないか。何の事はない。家人は「貧乏になる」方向性を選択していたことになる。道理でジリ貧であった。やっとネーミングの理由が分かった。「どんな貧乏な家にも咲いてくれるやさしい花」ということかららしい。そして、2016年に「乃木坂46」が『ハルジオンの咲く頃』という歌をリリースした。♫ハルジオンが道に咲いたら君のことを僕らは思い出すだろういつもそばで微笑んでいたひなたのようなような存在 心癒してくれた 白い花の可憐さ……♫これでは作法に欠けるんじゃない?一節おわるごとに、「貧乏草!!」というシャウトを入れるのが正しいと思う。♫ハルジオンが道に咲いたら貧乏草!!君のことを僕らは思い出すだろう貧乏草!!いつもそばで微笑んでいた貧乏草!!……♫のように。 (ナズナ:ぺんぺん草)この「貧乏草」に似たストーリーを持っているのが「ぺんぺん草」。「ぺんぺん草しか生えてない」or「ぺんぺん草も生えない」で荒れ果てた風景をいう。「ペンペン草」とは「ナズナ」のことで、縄文くらいの昔に中国から麦と一緒に入ってきた。すこぶる生命力の旺盛な植物。花が咲いたあと下部から順に種子になるが、それが三味線のバチに似ているので「ぺんぺん」草というのだという。日本の庭はとっくにグローバル化が済んでいて、その渡来人たちの逞しさはさすがだ。目を瞠るものがある。