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劇団木霊

「グレート・ギャツビー」衣裳👗

2019.05.14 09:57

こんにちは。

シャツ一枚では肌寒いけれど、アウター羽織ると荷物になるややこしい季節ですね。

グレート・ギャツビーで衣裳を担当しています、水無月光梨と申します。

スタッフブログ第三弾にてようやく芸名の当時です。どうぞお見知り置きを。



Q.衣裳とはなんぞや


名は体を表すと言いますが、日々の装いにも通じるところがあると思います。

制服を着ていればその人の職業がわかりますし、小金を持っていそうだなとか、愛人っぽいとか、きれいな字を書きそうとか、これからデートかしらとか。服装から、人となりや今日の予定まである程度想像できます。


つまり役者が着ている服だけで、彼らが女子高生なのか、チャラいにーちゃんなのか、噛ませ犬なのか、主人公なのか示せるということです。だからわたしは衣裳のことを動く舞台装置だと捉えています。


前置きが長くなりました。

そんな可動式大道具の説明をします。



Q.仕事の流れはいかに


①プラン決め

まずは演出家に公演のイメージを聞き、役者にどんな服を着せるか話し合います。

「こんな感じで」と写真を見せて具体例を示してくれる演出家もいれば、

「とりあえずみんな白っぽく」や

「現代の服」など概念でオーダーする演出家もいます。

zozotownや楽天市場、InstagramやPinterestなどとにかく色んなところから写真を集め、「こういう服?」「言ってるのはつまりこれですかね?」とイメージを共有し、プランを決めます。

ちなみに冒頭の写真は今回の演出家であり、我らがファッションリーダー、トモ・タカシマがプラン決めの際に送ってくれた写真です。さすが木霊のドン小西。


②採寸・持ち寄り募集・部室での宝探し

全体のイメージが決まったらさっそく衣裳探しです。

最初に役者の身長やスリーサイズを採寸。

劇団員に使えそう&貸してもいい服を持っていないか聞きます。

去年の10月公演の写真です。ちなみにこの時のわたしは役者と衣裳トップを務めてました。傘を持ってる女の子のスカートとバックはわたしの物です。いわゆるスタイリスト私物ですね。


持ち寄り募集の次は部室での採掘。

木霊はアトリエの他に部室を所有しており、今までの衣裳もいくつか残してあるので、良さそうな物がないか探します。

一体どんな芝居だったのか…と首をひねるような部室コレクションの数々。

これまでの衣裳や小道具でコーディネートしてみました。幕末志士がコンセプトです。


滅多に部室コレクションから使うことはありませんが、根気よく探せば掘り出し物があるものです。今回の公演ではなんと3着も登場します。


③買い出し・作成

思わぬ出逢いもありますが、持ち寄りと部室散策だけではすべて揃わないのが世の常。衣裳の仕事はこの買い出しと作成がメインです。

古着屋やショッピングモールを練り歩き、これだ!というものの写真を撮り、演出家に送ります。店舗で見つからなければ通販サイトをはしご旅です。

演出家がうんというまでひたすらこれを繰り返します。地道な作業なので、どうしても途中で少し遊んでしまいます。二着とも今回のとある役者の候補ですが却下されましたね。

はしゃぎすぎました。

おととしの12月公演の写真です。ちなみにこの時のわたしは鬼役でした。

彼女たちが来ている羽織は既製品ではなく、いくつかの布を繋ぎ合わせたオリジナルです。それっぽく言うとプレタポルテではなくオートクチュールですね。

原宿の竹下通りにもzozotownにも無いような物は自分たちで布を買ってきて作ります。

相棒のジャノメです。わたしが衣裳班に入ってからずっとミシンを使う公演がなかったので、今回の作業で久しぶりに彼らと戯れました。小学校の家庭科ぶりだったのでこの有様。ごめんよヒロイン。

この写真はあくまでわたしくらい不器用な人でも衣裳班に入れるよというあれです。

④衣裳合わせ

衣裳が揃ったら、役者全員に着せます。

照明さんが明かりを作る上での参考とするので、このファッションショーはかなり重要です。ここで、「あれこの人だけ浮いてる」とか「おや、思いの外似合わない」などということがたまにありますが、大概の場合、「やっぱり私って天才」と思います。

⑤即席美容師としての本番週

基本的に本番前のメイクやヘアセットは役者自ら行います。しかし普段お化粧をしない団員もいるので、代わりにアイラインを引いたり髪を巻いたりします。

やだ、なにこれ懐かしい。おととしの新人公演です。ちなみにこの時のわたしは2枚目のドライヤー女。髪が短い。


メイクなどが終わった後、衣裳のほつれがないか、着こなしが決まっているか確認して役者たちにいってらっしゃいをしてもわたし達の仕事は終わりではありません。

予期せぬ事態に備え本番中も息を潜めて楽屋で待機します。本番中に早着替えをする公演もあるので、その時は彼らを手伝います。


終演後、必要があれば衣裳を洗濯したりアイロンがけをしたりしてようやくフィニッシュです。




ざっとこんな感じですかね。いささか長く書きすぎました。


グレート・ギャッビーではパンクピーチ姫やキリシタンヒッピーが登場します。個性豊かな彼らをどうぞお楽しみに。


自称ファッショニスタの水無月の予約フォームです。

それでは御機嫌よう👠