南アルプス・野呂川シレイ沢
【日程】2017/07/15-16
【メンバー】たま、あさ、他3
【レポート】
毎週毎週、予定していた沢の計画が天気のせいで転進を強いられている。
今週は室谷川→七滝沢→そしてシレイ沢だ。3日もあるのにちょっともったいない気もするが、この不安定な天気だし、沢5年ぶりのタマもいるし、まあ日程が余ってもどうにでも過ごせる気がおけないメンバーなので気が楽だ。金曜夜。高尾駅で岩崎車ピックアップ。グッチは会社から直行姿のちぐはぐケンタウロススタイル。 この夜は道の駅しらねに銀マを敷き入山儀式をした。
土曜6時起床し芦安に移動。芦安駐車場はすでに満杯状態で第8駐車場という名の路駐だ。広河原行きの乗合タクシーでシレイ沢橋まで。ひとり1100円。 橋の欄干から懸垂で沢床に降りる。堰堤を左から越える。出てくる滝群は、概ね右岸の踏み跡を行けば易しいがMr.チャレンジャー安井は果敢に直登ルートを探る。陽射しが差してくると、ギンギラの水面や花崗岩の白い砂が目にまぶしい。どれもこれも大きい滝がつづいて、もはや遡行図の滝マークと現在の場所が特定できない。パズルを解くようにひとつづつ滝の弱点を探りながら越えていく。それにしてもひどく倒木が多い沢だ。2014年2月の大雪の影響らしいが、倒木のせいでお世辞にも美しいとはいえない沢だ。右岸から美しい40mナメ滝が出合う。15m滝で安井さんが左岸に取付くも最初の1歩が厳しそう。その後木でランニングを取りながらヤブをかき分け上がっていった。私は最初の1歩が上がらず岩崎さんの肩を借りた。左岸から枝沢が出合い右岸がザレ場になると目の前に20m滝が現れた。でかい! テンバはその20m滝を望める左岸とした。ちょっと傾いているが増水にも耐えられそうだし逃げ場もあるしなにより薪が豊富なのがうれしい。さっそくタープを張り薪を拾い、ビールを冷やそう。まだ日も明るいうちに焚き火を熾し、岩崎農園のキュウリに舌鼓を打つ。夜は焚き火の脇に寝た。焚き火の暖かさに包まれ沢音を聞きながら眠りの淵に堕ちる。寒さで目を覚まし焚き木を足す。空には無数の星くずが散らばりその中をゆっくり人工衛星がいく。寝プラネタリウムは外寝の醍醐味だ。
4時起床6時出発。階段状の20m滝は右岸の踏み跡を辿る。沢床に降りるころに対岸に巨大な白いスラブが広がった。左手奥にはシレイ沢のハイライト白い滝30mが現れた。気持ちいいくらい真っすぐに落ちる白い一条滝。美しい。直登は無理なので右手の樹林帯に入り、花崗岩と樹林帯のコンタクトラインを上がり、落ち口に向かい左にトラバースする。滝の上では一気に水量が少なくなった。倒木をやり過ごすと二俣になり右俣に入る。威圧感のある15m滝は右岸を行く。どんどん傾斜が増してくる。振り向くと北岳や残雪のある間ノ岳、農鳥岳が見えた。 谷は狭まり、岩稜がそびえ立つ。世界のどこかの遺跡のような岩たちが見下ろす中ひたすら黙々と高度を上げた。やがて樹林帯になり踏み跡なのか獣道なのかわからなような道をたどるとブッシュとなる。つま先立ちすると右のほうに白いザレと巨岩のある山頂があり登山者が見えた。5分ほどブッシュを漕ぎ登山道に出た。握手をし沢装備を解いた。10分ほどで人で賑わう薬師岳の山頂に着いた。富士山がちょこっと出てきてくれた。下山は延々と歩き夜叉神峠駐車場に降り、タクシー2000円程度で芦安駐車場に戻った。その夜は、石和温泉のスーパー銭湯で焼肉打上げをし、月曜、桃や野菜を買って帰京した。
3連休とも天気に恵まれ、充実した沢の山行だった。ここいらしか天気は良くなかっただろうが山行中、沢では人に遭わず自分らの沢旅を楽しめた。
9月の上ノ廊下のメンバー中心だったので、親睦も深めることができた、かな?
レポート あさ