松本大洋
第2回目のこだわりの《表情》は、
僕の大好きな漫画家、松本大洋さんの描く《表情》です。
代表作は、ピンポン、鉄コン筋クリート、青い春などですね。
1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
とてつもなく魅力的な絵を描かれる方です。
松本大洋『TAIYOU』、小学館、18年3/5初版、162ページ、引用
鉄コン筋クリートに出てくる、シロ(手前)とクロ(奥)というキャラクターの絵です。
めちゃくちゃ雰囲気のある絵だと思いませんか!?
松本大洋さんは日本人らしい顔を描かれるので親しみ易い絵ですよね。
シロの表情は、大口を開けて笑っていて、歯が抜けていることでアホっぽさや無邪気さが伝わりますよね。
対してクロの表情は、何かを狙っているような鋭い目つき。
ゴーグルによって眉毛が見えなくなることで無の殺気のようなものを感じられます。
シロは無邪気でアホな変わり者。
クロは無愛想で攻撃的な悪童。
たった1つの《表情》でこいつらがどんなキャラなのかわかるってすごくないですか!?!?
しかも対照的な2人なんだなぁと、キャラの関係性までわかるんです!!
そしてこんなにも魅力的な雰囲気があるのは、
松本大洋さんの描き方に秘密があります。
★背景★
背景の色は白い紙に、
薄塗りで10回以上、何色も重ねることでいい感じのムラを作っています。
★細部★
シロの身につけている腕時計やベルトのような、
細かい密な部分があることで、絵が締まって見えます。
★白★
松本大洋さんの絵は”白色”がすごく映えているんです。
それは背景の地塗りがあるからこそ映える白色なんです。
1枚の絵でこんなにも魅力が詰まってます。
ぜひこのキャラたちが動く、漫画の方も読んでみて欲しいです。
《表現する為に全てにこだわりを持つ》
クリエイターに限らず、何事にも言えることではないでしょうか。
松本大洋さんの魅力が少しでも伝わればと思います!!!!!