「等しい」を作る
「計算を早く正確にするコツ」というブログの中で、
ということをお伝えしました。
1学期の数学は計算を中心とした単元ですが、計算方法の学習が終わると、
「『等しい』を作る」ような学習が始まります。
具体的に見ていきましょう。
まずは中学1年生の数学。
四則が混じった計算が終了すると、この「分配法則」を学習します。
その中に、
このような計算が出てきます。
筆算を使っても答えは出ますが、「くふうする」ことが大切。
それが、算数と数学を学習する目的でもあるから。
解き方は…
ですが、ここで大切になるのは、
「等しい」を作れるか。
中学2年生の数学では、
「文字式による説明」という学習内容があります。
まずは、いろいろな整数を文字式で表せることが大切です。
解答はこのようになりますが、
ここでも、
このように、「等しい」を作れるか。
中学3年生の数学では、「素因数分解の利用」を学習していきます。
例えば、このような問題。
解き方は、
このようになりますが、ここでも
等しいを作れるか。
1学期の数学は基本的な単元を学習します。
これは、簡単という意味ではなく、
「数学の基本」を学習するということ。
「数学の基本」は、「計算ができる」だけでなく、「等しい」を作れること。
これは、中学生だけでなく高校生でも言えます。
高校生の数学でもよく質問されるのは、「等しい」の作り方。
今日は、「ベクトル」について、
こんな質問がありました。
このような質問は良い質問だと決めています。
ベクトルの基礎知識は今回は省略させていただいて…
となるのですが、これって
となります。
これを余弦定理にあてはめてみると、
式を整理することができて、「ベクトルの内積の公式」が出てきました。
高校数学の公式は、量も多く、複雑なものが多いです。
しかし、「なぜそうなるのか?」という因果関係がわかると、公式を覚えやすくなります。
そして、「なぜそうなるのか?」は
「『等しい』を作ること」によって導き出されます。