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八丁堀のオッサン

ロボット社会で問われるのは人の倫理

2019.05.14 21:20

 米国のSF作家アイザック・アシモフは1942年、短編で打ち出した「ロボティクス三原則」の第1条でこう述べています。  

「ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を見過ごすことによって、人間に危害を及ぼしてはならない」  

 ロボティクスはアシモフの造語で、日本では「ロボット工学」と訳されることが少なくありません。そして、三原則の内容はロボットが守らなくてはならない倫理として唱えられています。  

 そこでの主語はあくまでロボットであり、人間は主語となっていません。しかし、ロボットをつくるのは人間なので、必然的に人間が守るべき倫理を示しているといえるでしょう。  

 もともとロボットという言葉も、チェコの作家カレル・チャペックが世に送り出した造語でした。ただ、アシモフはチャペックら先人たちがロボットを人類の脅威として描きがちだったことに不満を抱いていました。  

 あくまでロボットを忠実で、有能で献身的な人類の友として描きたかったのです。そこには、科学技術への楽観が根底にあったはずです。そして今、この「ロボットの倫理」は現実の問題となっています。  

 日本政府と欧州委員会は先ごろ、人工知能(AI)に関する指針を相次いで発表し、人間中心の考え方をそろって強調しまいた。一方で、「殺人ロボット」と呼ばれる自律型兵器の規制論議が国連で動き出しましたが、米中ロの抵抗で停滞気味です。  

 問われるのは、やはりヒトの倫理ということでしょう。