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「宇田川源流」 <現代陰謀説>中国共産党が仕掛ける「浸透工作」

2019.05.16 22:00

「宇田川源流」 <現代陰謀説>中国共産党が仕掛ける「浸透工作」

 世の中の「陰謀」「工作」といわれる中で、もっとも厄介なのが「影響力工作」「浸透工作」といわれるものではないだろうか。実際に、暗殺などその国において「犯罪」を構成するものに関しては、基本的に何の問題もなく、法律と権力で取り締まることができる。テロであれば、そのアジトに行って凶器準備罪で逮捕できるし、暗殺ならば当然に殺人罪が適用される。

しかし、「影響力工作」や「浸透工作」は、それら法律で縛ることができないということがもっとも厄介なのである。

今回問題にするのは「浸透工作」というものである。

台湾の総統選挙に出馬を表明している頼清徳前行政院長がそのことを産経新聞の矢板明夫氏のインタビューの中で答えているので、非常に注目すべきであると思って、今回はそれを取り上げた。

中国は日本にも「浸透工作」 偽情報・選挙干渉は最大の危機 頼清徳氏インタビュー詳報

 来年1月の台湾総統選に出馬を表明している与党・民進党の頼清徳(らい・せいとく)前行政院長が産経新聞のインタビューに応じ、「中国による統一攻勢が強化され、台湾の主権と民主主義は危機的な状況にある」などと語った。

中国は日本に対しても「浸透工作」を行っており、中国の脅威に対抗するために日台が協力態勢を築くことが重要だと訴えている。頼氏との一問一答は次の通り。


 ――今回の訪日の目的は――

 頼清徳前行政院長 在日台湾人団体の要請を受けて講演するために来た。同時に、私は中国の脅威に対応するために、日本との協力関係構築が不可欠だと考えている。選挙前に日本の友人たちと外交や安全保障について意見を交換したかった。台湾は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を目指しており、TPPを主導している日本に協力を要請することも目的の一つだ。

 短い訪問期間だが、3人の元首相や30人以上の国会議員と会談した。皆さんが台湾に対する高い関心を持ち、ほとんどの人が台湾を支持してくれたことにたいへん感動している。

 民主主義陣営に軸足

 ――なぜ総統選に立候補したのか――

 頼氏 中国の習近平政権が台湾に対する軍事的、外交的な圧力を強めており、台湾の主権と民主主義は危機的な状況にある。

 昨年11月の統一地方選で私たちの民進党は大敗した。このままでは中国の統一攻勢を受け入れる中国国民党が政権をとり、台湾は中国に併呑(へいどん)されてしまう。私はこうした危機感から立候補し、民進党を立て直したいと考えている。

 来年の総統選は、民進党にとって負けられない選挙だ。国際社会の普遍的な価値観である民主主義を選ぶか、それとも中国の独裁的な政治手法を選ぶか?を決める選挙だともいえる。

 ――国民党の候補者たちは中国との平和協定締結を主張しているが――

 頼氏 平和協定は、中台の問題を解決するものではない。六十数年前、中国はチベットと平和協定を締結したが、その後の中国はチベットに高圧的な政策をとり続け、弾圧で多くの流血事件が起きた。チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマはインド亡命を余儀なくされた。

 独裁国家と平和協定を結べば、台湾がチベットと同じ運命をたどることが目に見えている。台湾にとって災難にほかならない。

 ――あなたの対中政策は――

 頼氏 第1に、軸足をしっかりと民主主義国家の陣営に置くこと。第2に、国際社会へ積極的に発信し、周辺国としっかりと連携体制を構築すること。第3に、国家の安全を守る態勢を増強することだ。

 今の台湾にとって最大の危機は、中国による浸透だ。中国は人的交流やインターネットを通じて台湾内部に入り込み、偽情報を流布したり、選挙に干渉したりしている。現在の国内法はインターネットの時代を想定しておらず、対応しきれていない。

 私が総統になったら、反浸透法、反併呑法の立法を推進したい。中国は日本に対しても浸透工作を行っているため、日本との協力体制をしっかりと構築する。国際社会と協力し、中国の民主化も促していきたい。

独立宣言はない

 ――米中貿易戦争をどう見ているか――

 頼氏 中国経済が減速すれば、台湾にとってマイナスなのは間違いない。しかし、別の意味で台湾にとってチャンスでもある。中国に進出している台湾の中小企業には対米貿易関連の製造業が多くある。米国の対中関税が25%まで引き上げられれば、これら企業は中国でやっていけなくなり、台湾に戻ってくる可能性が高い。

 ――立法院(国会)での答弁で「台湾独立」を主張したことがあるが、その真意は――

 頼氏 民進党は1999年に「台湾前途決議文」を採択した。その中に「台湾はすでに独立した民主国家であり、主権国家である現状を変更するには、台湾全住民による住民投票が必要だ」と明記されている。私が言う台湾独立とは、この「台湾前途決議文」を守ることだ。

 中国の脅威に対抗して台湾の主権と民主主義を守り、経済的にも自立して「実務的な台湾独立」を果たす。そのことを念頭に置いており、私が当選しても台湾の独立を(新たに)宣言することはない。

 ――福島第1原発事故に伴う日本産食品の輸入規制についてどう考えるか――

 頼氏 昨年の住民投票で、被災地の食品を禁輸とすることが賛成多数を占めた。台湾の有権者に今、被災地の食品に対する不安と誤解があるのは確かだ。日本政府と一緒になり、不安や誤解をなくす努力をしなければならないと考えている。

 食の安全の問題については、国際社会の基準と科学的な根拠が大事だ。私が当選すれば、この問題を円満に解決する自信がある。(聞き手 矢板明夫)

産経新聞2019年05月13日06時04分

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-wor1905130003?fm=ranking


 「今の台湾にとって最大の危機は、中国による浸透だ。中国は人的交流やインターネットを通じて台湾内部に入り込み、偽情報を流布したり、選挙に干渉したりしている。現在の国内法はインターネットの時代を想定しておらず、対応しきれていない。」<上記より抜粋>


日本もそうであるが、実際に、これらの内容に関しては「道義的」には批判されても、「刑法的に」罰することのできない工作である。単純に「価値観」と「自由」の問題である。

例えば「世界平和」を訴えることは、法律で違反した内容ではない。平和を訴えて罰せられてしまうのであれば、世界平和を祈っている天皇陛下はどのようになってしまうのかということになる。そして、その「平和」の考え方が人それぞれに異なることが大きな問題だ。

平和というのは、「パックスロマーナ(ローマの平和)」のように一国が非常に強大になり他の国が対抗できることなく、奴隷の平和を謳歌するというような状況であった場合も戦いというものは存在しなくなってしまう。


一方で「協調の平和」というものもある。左翼の人々は拒否反応を起こすが、戦前の理念である「八紘一宇」は、少なくとも理念と理想の上では各国が自立し、そして強調して平和を作り出すということになる。上層部や軍の簿トップは別にしても、少なくとも多く日本兵は、当時、この理念を理想と思い、そして、植民地として欧米に虐げられている南方資源地帯の国々の独立を目指して戦ったのである。


平和は、人間が放置しておけば、そのまま平和になるものというような考え方がある。お互いが無関心、不干渉であれば、確かに争いは存在しない。しかし、それは助け合いもなくなってしまう。助け合いがあるということは、人間が感情の生き物である以上、一方的に助けられている人と助けている人ができてしまえば、そこに階級ができ階級が脱せない場合は、不満が蓄積することになって争いができる。よって、無関心、不干渉以外実は「放置による平和」は存在しない。現在都会で多くの人がいながら、争いごとが少ないのは、まさに現代人がお互いに対して無関心不感症であるからという理由に他ならない。


一方「平和は人間が努力して作り出すもの」という考え方がある。イギリスの思想家ホッブスは、その著書「リヴァイアサン」の中で、人間の自然状態に対して「万人の万人による闘争状態」ということを主張する、そのために国家権力が必要であり、そして法律によって人を管理しなければならないというようなことになっており、ホッブス、ロック、ルソーの三人が近代法学の父といわれている。まさに同じ「ほうち」であっても「法治による平和」を主張する。法治ということはそこに国家権力が介在するという事を意味しているのである。


逆に言えば「法律を守っていれば、平和であるはずが、その法律の範囲内で、相手の支配統治体制を壊す」というのが、「浸透工作」や「影響力工作」である。これを防ぐ方法は、国民が知識を持ち勉強するしかない。単純に他人に影響されてしまい、ただ漫然と日々の生活を送っている人々の間では、すぐに悪意のある工作者に騙されてしまうことになるのである。もちろんこのブログもそのような人のための一助になればと思っているのであるが。


まさに、坂本龍馬の船中八策、特に国民の議会主義を言った時に、高杉晋作が「こんなのはだめだ、国民がばかだったら国が亡ぶという政策ではないか」と吐き捨てるように言ったという。ギリシアの哲学者プラトンも、「民主主義ではなく哲人政治を目指せ」といっているように、民主主義の弱点を突いた工作であることは間違いがないのである。

まさにそのことをどのように考えるのか。

できれば「バカだけが滅んでくれる」ような状況になってもらいたいものである。