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すずめのおそで ‐ Suzume no Osode -

におどりと流山

2019.05.15 13:53

こちらは、先の作品展で展示した作品です。

木箱の内側にほどこした押絵で、

「にほどり」と名付けました。

にほどり(におどり)とは、カイツブリのこと。

葛飾の枕詞として使われています。

「令和」の典拠となった万葉集ですが、その時代、流山は広大な葛飾郡の一部でした。

その葛飾郡を舞台にして詠まれた歌がこちらの歌です。

「にほ鳥の 葛飾早稲を 餐(にへ)すとも そのかなしきを 外に立てめやも」(3386)

(稲を神様に供える祭の期間は、清らかでいるために、男性と接触してはいけないというけれど、愛する人が戸口にいたらどうして外に立たせておけるだろうか。)


若い女性の初々しい恋心がとてもかわいらしい歌です。

その昔、この葛飾の地のどこかに、小さな恋が芽生えていたかと思うと、とてもロマンを感じます。


それに、もし同じ歌を知っていたとしても、

恋を知る前と後では、カイツブリを見かけたときの気持ちが全く異なるのかも…。

そんな気持ちで作った作品です。