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色にこだわる空間づくり 第11回~外装(外壁・屋根)のカラーコーディネート~

2019.05.16 03:00

色の専門家・色彩塾の勝馬さんによる連載。今回は外装のカラーコーディネートについて教えてもらいました。


顧客満足度がぐっと高まる色にこだわる空間づくり

外装(外壁・屋根)のカラーコーディネート

家を大きく見せる外装選びとは?

今回は外装(外壁・屋根)のお話です。

分譲建売住宅、特に狭小住宅において家を大きく見せるには、予算がかけられない分、デザインや色で工夫する必要があります。玄関廻りのサイディング等は色やデザインの選択次第では小さな家が更に小さく見えることがあるから要注意です。サイディングを選択する時は、色やデザインに少し気を付けてみて下さい。

小さな家を大きく見せる為の外装選びのポイントは、以下の3つのポイントがあります。

①あまりテクスチャーを感じさせない(凸凹していない)フラットなデザインを選ぶこと
②上下に見切りをつけないで、縦のラインでデザインすること
③塗装とサイディング、ポーチタイルを同系色にすること

です。以上の3点に気を付ければ、狭小住宅でも大きく見え、また上品で落ち着いた仕上がりになります。

個人的には、リシンの塗装は仕上げの質感を変えれば高級感が出るのでおすすめです。

外のイメージをモダンにしたい場合は、サッシ、ドア等で締め色を使います。サッシやドア等の小さい面積でコントラストを付けると、スタイリッシュモダンなイメージにすることができます。

また最近ではサイディングのデザインも進化していて、リアルなタイルや打放しコンクリートに似せたものも出ているので、予算があれば全体で張り込むと美しくなります。



【家を大きく見せる外装のポイント】

①フラットなデザインを選ぶこと

②縦のラインでデザインすること

③塗装、サイディング、ポーチタイルを同系色にすること



周囲の景観になじむコーディネートとは

次に周囲の景観になじむ外装のカラーコーディネートについてです。

環境色彩を整えるために、自然界にあるものの色調に合わせる必要があります。例えば、土や木や石などの色です。それらは黄、緑、オレンジ系のイエローベースです。明度は5以上、彩度は3以下、色相はYR系〜Y系を提案できると良いでしょう。

低彩度だとさほど気にはなりませんが、時々お客様の意向だということで、彩度の高いブルーや明度の低いブルーの外壁にされる方がいます。赤系や青系のブルーベースの色調にした場合、色相対比が起きて青さが際立ち、外壁が主張してしまい、「あの青い家の2軒隣が家です」と言われるようなランドマークになってしまいますから、注意しましょう。

外壁の計画は隣の家とのバランスを考えて選択しないと、街並みの景観を壊してしまう事になりかねないので、お客様にもきちんと理論で伝えて提案しましょう。

また、外装はナチュラルなイメージなのに中に入ったら、インテリアが「え⁉モダン⁉」というお家も少なくありません。外装と内装のイメージや色彩も合わせてコーディネートしていきましょう。


【外装を景観になじませるポイント】