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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

万能の人1-「受胎告知」神は背景に宿る

2019.05.17 00:55

パッツィ事件のとき、レオナルド・ダ・ヴィンチはもうフィレンツェに居る、26歳。何とこの事件で処刑された人間のスケッチをしているのだ。彼はすでにヴェロッキオの工房で、師匠もかなわぬと言われるほどの腕を見せていた。また音楽の才能もあり、リラを奏でて作曲もしていたようだ。

若いときのノートには、数学、天文、地理、医学者の名前が書かれている。彼は、メディチ家の「プラトンアカデミー」には行かなかったが、万物を探求する心が人一倍強かったのは間違いない。そしてヴェロッキオと描いた傑作が「受胎告知」である。

この作品で、ダ・ヴィンチは、大天使ガブリエルと背景を描いたが、まず無限に広がる背景が独特である。背景に聳えるて雲を頂く山は、イエスキリストを表現しているという説がある。三位一体から考えると、この聖なるドラマを見守る父なる神だろう。

これ以後、モナリザに至るまで、背景にこだわり続けることになる。受胎告知はボッティチェリも描いているが、ダ・ヴィンチは非常に意識して、背景を大切にしていないと批判しているのだ。ダ・ヴィンチは、「聖ヒエロニムス」や「東方三博士の礼拝」を受注しているが、いずれも完成させず、ミラノへ出発する。