イギリスでの授業の進み方(文系編)
留学を控える人にとって、現地で何を学ぶかは悩みの種の一つですよね。私もいざ履修予定授業を決めようと思い立ったは良いものの、授業のシステムが北大と大きく違う事に戸惑い一時期放置した経験があります笑。そこで今回は、文系学生に向けてイギリスの授業の進み方と履修システムについてざっくりまとめたいと思います。
※私の留学したエジンバラ大学での経験に基づいているため、他大学や語学留学等では違う場合があります。必ず各自で受け入れ先大学の仕組みは確認してください。
エジンバラ大学は一学期のみの科目で20単位、通年の科目で40単位となっており、大学オフィスは学期ごとに60 credits(=授業3つ分)の取得を推奨していました。
授業構成
運転免許を持っている人はイメージしやすいと思いますが、自動車教習所は学科と技能の二つからプログラムが構成されていますよね。あれです。イギリスの授業はあれと同じような仕組みです。
一つの授業は、LectureとTutirialの二つに分けられます。エジンバラ大学では1週間のうち、一つの授業あたりLectureが2~3コマ、Tutorialが1コマの計3~4コマがセットでした。エジンバラ大学の場合交換留学生が一学期に履修する授業数は3つまでと決められているので、毎週授業が10コマほどあるのが一般的かと思います。授業によってはTutorialが隔週で実施される授業もあるので、全て上記の通りではないことに注意して下さい。
Lectureの時間割は固定ですが、Tutorialは履修者を小グループに分割して行うためTutorialの時間は大学から割り振られる形となります。Tutorialの時間が他のLectureと被ってしまった場合は融通を利かせて変更してくれる事もありますが、Lectureの時間が他科目のLectureと被ってしまった場合どちらかを選ばなければならないため、履修登録の際にはこの点に気をつけて下さい。
↑ 筆者の実際の履修時間割
Lecture(=講義)
要は講義です。文系の場合は大講堂や中規模の教室等で、教授もしくはゲストスピーカー等がパワポを使って授業テーマに関する実情や先行研究、考え方の枠組みなどの情報を提供してくれる場です。
Tutorial(=ゼミ)
Tutorialは、10名前後の少人数制で行うゼミや演習のようなものです。Lectureが一方的な情報提供の色彩が強いのに対し、Tutorialの主役は学生です。多くの場合、その週のLectureで触れた内容の中でTutorが議論の焦点を絞り、そのテーマに関して学生がディスカッションをするという形式のもので、進行役のTutor(TA的な役割)の人はさほど話しません。Lectureで扱った内容に加え、Required Readingと呼ばれる必読文献を予習で読んだ上で参加することが前提なので、相当量の文献を読む力と根気が必要になります。私の履修した3つの授業のうち社会保障に関する二つは、それぞれ毎週100ページ前後のリーディングが必須でした。一人だけだと大変なので同じ授業を履修している友人らと学んだことを共有して工夫してました。正直だいぶしんどかったです。留学予定の皆さんファイトです。
最後に
2単位の授業を週に10個も15個も履修する北大に比べると、一つの分野に時間と労力を集中的に使えるイギリスの授業は勉強をしっかりと頑張りたいと思う人にはフィットすると思いますし、個人的にも専門性が深まるという点で良い仕組みだと感じます。留学をその後の人生を豊かにする糧だと考えれば、現地の大学で何を学ぶかはより大切になってきます。また、取ったクラスの授業を通じて友人ができることも多々あります。上記のことを念頭に置いた上で、留学先で学ぶ科目を選ぶ際には「ついていけそう」「やったことがあるから」という消極的な軸だけではなく、今はできないがチャレンジしたいことや将来像から逆算して現地でできることなど、積極的な軸を持つことで短い留学生活をより実り多いものにできると思います。頑張って下さい!