音大時代の心に残っている講義。
音大時代、心に残った講義の話をしようと思います。
それは、「歌曲史」の講義です。
最初は、教職の単位のため、義務的に授業を聴いていました。
本当は「歌曲史」の授業ではなく、他の講義を受けたかったのですが、
その時の私のカリキュラムでは、その講義しか取れませんでした。
そんな動機から受けていた「歌曲史」の講義でしたが、
とても興味深い授業で、とても楽しかったです。
中でも印象に残ったのは、
ソプラノ歌手ジェシー・ノーマンのミュージックビデオを見たことです。
(今持っているジェシー・ノーマンのCDです↓)
言葉で言い表せないくらい感動しました。
それまで恥ずかしながら知らなかったです、ジェシー・ノーマン。
その時聴いた曲、ドイツ歌曲とシューベルトの冬の旅より何曲かです。
その後、音大を卒業してから、ジェシー・ノーマンが来日した時、
リサイタルを聴きに行きました。前から5番目、真ん中の席。
シューベルトの「魔王」「音楽に寄す」など、
深くどこまでも響き渡る歌声に包まれて幸せでした。
ほかに心に残った講義というと、音大ですが『児童文学』の授業です。
とてもとても楽しい講義でした。毎回、児童文学の様々なテーマでお話なさるのです。
今となっては、詳細な内容は忘れてしまったのですが、
グリムやアンデルセンの裏話など興味深いお話をテンポ良く話して下さいました。
90分の講義が短く感じられるくらいでした。
そんなある時、いつものようにお話をして20分ぐらいたった頃、
「今日はみんなにレポートを書いてもらいます。書いたら帰っていいから」
と先生が仰ったのです。
(え~、今までレポートなんて書かせた事ないのに、 どうして今日なの?)と私は思いました。
というのは、私には珍しくレポートを書きたくないのではなく、書きたかったのです。
小さい頃から児童文学が大好きで、グリム童話やアンデルセン童話、ペロー童話、
世界各地の民話や昔ばなし、沢山の本を読んでいた私は、
いいレポートが書ける自信がありました。
それがこの時に限って、急遽友人に頼まれた声楽の伴奏に駆け付けなければならず、
出欠を取らない授業を良いことにギリギリのところで抜け出そうと思っていたのです。
たぶん、10分くらいの大急ぎで書き上げました。出したのは、勿論1番。
「もう~書いたの!」みたいな ザワザワとした雰囲気が感じられました。
私は心の中で(違うの。伴奏があるから早く書いただけなの…)と言っていたんです。
あまりにも早く書いたから上手く書けなくて、
折角の好きな講義でしっかり書きたかったのにと、とても後ろ髪をひかれました。
1年間、全講義受けましたが、レポート提出はその1回きりで、今でも心残りです。
そのためか、アメブロでときどき、児童文学のお話を取り留めもなく書いています。