プラごみを減らすために
2019年3月の読売新聞に『脱プラごみ 日本も加速』という記事がありました。その記事の中で目を奪われたのは、ウミガメが一度に排出したプラスチックごみとして、幅1メートルのガラスケースの中にポリ袋やペットボトルの包みなどが山積みされた写真です。その写真から始まり、NATIONAL GEOGRAPHIC「海を脅かすプラスチック」号を子どもたちと一緒に見ながら、プラごみについて考えました。
では、子どもたちの作文を紹介します。
”生き物を苦しめないようにしたいから、わたしはプラスチックを出来るだけ買わないようにする。コットン製の服を買って、着れなくなったら、友だちの小さい子にあげるようにする。したじきやふでばこを買ったら、ボロボロになるまで使い続ける。そうすれば、プラスチックごみが少しずつなくなると思う。”(小学4年生)
”わたしは、プラごみを減らすためになるべくエコバックを使いたいです。もし家族がレジ袋をもらおうとしたら、わたしが持っているバックに入れるようにします。目標は家庭で使うレジ袋が年に3、4枚です。それから、エコバックも買い過ぎたらプラスチックと同じだから、家族が買おうとしていたら止めたいと思います。”(小学5年生)
”今世界ではプラゴミによる環境破壊が問題となっている。この問題の解決策として私は『プランコ』の使用を提案する。
プランコとはプラスチックを消化分解してくれるミジンコのことである。こいつは存在しないが、もしいたら当たり前のように活躍しているだろう。プランコたちのエサは、プラスチックである。いらなくなったプラスチック製品があれば、プランコがたくさん入った水槽につっこめばよい。12時間ほどしたら、その製品の色でカラフルになったプランコたちが何も無かったかのように漂っているだろう。また海に放流すれば、99%のマイクロプラスチックが消滅するだろう。
「そんなやつがいたら、もっと環境破壊しちゃうんじゃね?」
と思う人がいるかもしれないが、そんな必要はない。所詮はただのミジンコである。魚がプランコを食べたとしても全く害はないのだ。
ここで一つお願いがある。この提案を実現してくれる人がいたら、プラスチックを開発した時の百倍の100万ドルを差し上げよう。求む、プランコ開発者!”(中学2年生)
私がこのテーマを書くときにつけた条件は、小学生は自分のできることを書こう、中学生は周りを巻き込む対策を書こう、というものでした。具体的に理由や対策を書いた小学生二人の文章からは、書き手がどんな子なのか人柄が伝わってきます。中学生の文章は、想像力豊かな提案とユーモアたっぷりの文体が魅力的です。最後の一文で、この子はプラごみに関して勉強したんだな、という"ただの夢見がちな提案ではない"ことを付け加えています。もし...だったらと想像することを、今後の教室でもどんどんやっていきたいと思います。