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Ordinary Coffee Roaster

自己紹介その③「暮らし自給率の向上をめざして」

2019.05.23 04:57

食料自給率という言葉ありますが、日本の食料自給率といえば、国内の食料消費が国産でどの程度まかなえているのかを表すものですよね。それの暮らし版が、「暮らし自給率」です。僕が勝手に言い出した言葉です。笑

暮らしというと、着るもの食べるもの住むところの「衣食住」を基本として、さらには電力や暖房の熱となる薪などのエネルギー、さらには音楽や芸術まで、ささやかでも無理のない範囲で、自分(たち)の手でつくり出せれば、いろいろないいことがあるんではないかと思っています。

僕はいつからかずっと、お金と消費について考えていました。色々なメディアに触れているうちにいつの間にか、生活に必要なものは全てお金を使って購入しないと生きていけないと思ってました。消費しないと豊かな生活は得られない、だからお金を稼がなければ生きていけない。そんな風に考えてました。

しかし残念なことに、僕はお金を稼ぐのが得意ではありませんでした笑。正しくは組織で動いて価値を出せるタイプの人間ではなかった、ということでしょうか。そのことにはひどく落ち込みましたが、もう開き直って、「だったらお金を使わず豊かに暮らしてやろーじゃないか」と、できるだけ消費者にならずに生きていく方法を模索し始めました。

それ以降「これ、自分で作れるかな?」が口癖になったわけですが、料理をはじめ(上手くはないけど)、自宅の漆喰塗りやタイル張り、石積みの花壇やウッドデッキなど、いろいろなものを自分のイメージに忠実に作っていきました。すべて初心者ですから当然たくさんの方に協力していただきながらですが。そこで思うのです、最初は節約のためにはじめたのですが、やってるうちにその作業自体が楽しくなってくるのです。だんだん上達していくんです。どうすれば上手くできるか頭で考えて、手を動かす、するとだんだん上達する、頭と手(や体)のつながりが強くなり連携がうまく取れてくるようになる、そんな感覚になるのです。それはすごく気持ちのいいことでした。スマホやパソコンから得られるものとは桁違いの情報が、手から伝わってきたのです。そりゃそうですよね、いくらスクロールしてもスマホの画面はツルツルです。重さ、振動、手触り、音、押し返してくる力、水分の感じ、色の変化、などなど。

また、特に料理なんかは自分で作ると、おのずと新鮮だし出来たてを食べることになりますよね。これってものすごい価値あることなんじゃないかなって思います。外食では新鮮さを保つには結構な無理とコストをかけることになります。

そうそう、もちろん、ちょっとやったくらいではプロのように完成度が高いものはできません。でも自分たちが求めているものって、100%の完成度のものでしょうか。意外とちょっとくずれてたりするものが愛嬌があって、愛着が持てたりしませんか。80%の完成度なら、案外自分でつくれちゃいませんか。また逆説的に、今度は世の中のプロフェッショナルたちに対して尊敬の念を抱きました。プロたちの作業の正確さやスピード、完成度の高さにはそれまでの研鑽の時間に思いを馳せざるをえません。自分でやってみた過程があったからこそ、「これはプロにお願いしよう」とか「これは自分でやってみよう」とうまく選択することができるようになりました。また購入するものも、よりよく長く大切に使えるものという意識になりました。

そんな中出会ったのものの一つが、コーヒーでした。あるコーヒー屋さんで浅煎りのエチオピアのコーヒーを飲み、その強烈な香りと心地よい酸味と甘味を感じ、どうにかしてこの美味しいコーヒーをもっと気軽に飲めないかなと考えた結果、自分で焙煎するに至りました。最初は小さな手持ちの網をつかい、あーだこーだと試行錯誤して、少しずつ納得のいくコーヒーになっていき、コーヒーを淹れるのも飲むのもどんどん好きになっていきました。そしてそのコーヒーをまずは家族に飲んでもらう、すると思った以上によい反応が返ってきました。「え、美味しいじゃんこれ」と。今度は友人たちを家に招いて飲んでもらうと、喜んでくれる。ささやかだけどおもてなしができる、人のために何かできる、それがとても嬉しくなりました。そうしていくうちに、もっと色んな人に飲んでもらいたいなと思うようになり、そのままの流れで、またたくさんの方に助けていただきながら、コーヒー屋になっていきました。

そんな感じで、暮らしのいろいろなことを自給していくと、いいことがたくさんあるなあと思うのです。

自分がおいしい(楽しい)

・必要なお金が減る

・健康によい

・無駄やゴミが減って環境にもいい

・プロフェッショナルたちへの理解が深まる

・ものごとに能動的になる

・周りの人に喜んでもらえる

・そこからコミュニケーションがうまれ、仲間ができる

・自分の仕事にもつながる

はじまりはいつも「自分の手でつくってみよう」です。今後も自分でつくれるものを増やして自分の「暮らし自給率」を上げていきたいし、自分で作ることの素晴らしさを伝えていきたい。その次には近くの仲間とともに作っていき、地域の「暮らし自給率」を向上させていきたい。そしてその輪を少しずつ広げていきたい。

その輪が広がっていった先になにがあるのか。自分たちが生きることに充足感を得て、人としての生を満喫し、社会がもっと自然と近くなりニュートラルな状態になったら。。。そんな妄想を抱きつつ、今日も自分や誰かのために一杯一杯コーヒーを淹れてます。

あれ、もうコーヒーと関係ないかな?笑

僕は何か突出した技術を持っているわけでもないし、ただの普通な(Ordinaryな)人間です。Ordinaryな人間だからこそ、Ordinaryな日常を少しでも楽しく豊かに過ごせれば、いいなぁ。ものごとに良い悪いはなく、意味づけしているのは全て自分です。だったらよい毎日がきっと待っている。なんて、飛躍し過ぎでしょうか。

何か一つでも共感していただけることがあれば、今度コーヒーでも飲みながら一緒にお話しましょう!

以上Ordinary Coffeeの紹介でした〜!

自己紹介その①「マイクロロースター」はこちら

自己紹介その②「街の飲み物係」はこちら