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この道往けば act2

福井県道210号余座若葉線

2019.05.23 08:18

※この県道は2019年12月に津内櫛林線から起終点ともに延伸し、余座若葉線と名前が変わりました。

当レポ内では最新名称を使用し、2021年以降のレポは新名称を使用しますが、それ以前のレポについては「津内櫛林線」のままとなっていることをご容赦ください。

全部変えるの大変なんだもん(笑



このブログで紹介するものは全て「道」に関連したものです。

酷道や旧道はもちろん、峠や隧道も道があってこその産物です。


そんな道ですが、皆さんもご承知の通り、様々な「格」を与えられています。

上から順に書いていくならば、

1)高規格幹線道(高速道路・自動車専用道等さらに4つに区分)
2)直轄国道
3)一般国道
4)都道府県道(さらに主要地方道・一般都道府県道に区分)
5)市町村道
6)広域基幹林道・広域基幹農道
7)里道
8)林道・農道
9)その他(あぜ道等)

と言うような序列が付けられます。


しかしこれらの道全てには一つ、必ず守られていることがあります。

道が繋がっている限り、かならず「起点から終点まで辿りつける」ということです。

もちろん不通区間や工事中などの事情は除くとしてですが・・・。


ところが今日紹介するこの県道なんと、

道は全線開通しているのに、

起点からも終点からも目的地へ着くことが出来ない

という道としての根幹を揺るがす県道なのです!

その名は、

福井県道210号与座若葉線

(よざわかばせん)

前置きが長くなりましたが、それでは行ってみよう!

ここが起点の福井県道225号敦賀美浜線との交差点です。

左下が関峠、右が福井県道210号となります。

交通量はご覧のとおり、少なくありません。

※現在の起点は国道27号現道金山バイパスの福井県道142号松島若葉線(まつしまわかばせん)との交差点になっています。

起点から走り出し、すぐにぶつかるこの道は、実は自身の旧道です。

旧道はすぐ隣を走る福井県道211号山櫛林線と重複していたのですが、

2008年晴れて、一人部屋をもらえたというわけです。

旧道も現役なため、すこぶるややこしい交差点になっています・・・。

ややこしい交差点(とはいっても旧道側がややこしいだけなので、本線には支障はないですが)を過ぎると、

黒河川を近代的な橋で跳び越えます。

この川を遡れば、あの因縁の黒河峠・・・。

コンディションが回復するまで待ってやるから早く治せよ!

橋を越えるとなんかややこしいことが描いてある青看板が、

ようするに県道210号を辿りたければ、左に曲がってすぐ右だそうです。

しかしこの青看板のちに疑惑を生むことに・・・。

左折後すぐの光景、青看板ではこの信号を越えてから右になっています。

しかし手持ちの地図やカーナビでは全て、この信号を右折になっているのです。

まぁどちらにせよ、すぐ奥の立派な道に合流するんですが・・・。


どっちが正解なんだろう。

信用度で言えば青看板なんだけどなぁ(過去に青看板にすら騙されたことあるけど)

正解をご存知の方がいればご一報を!

疑惑のエリアを抜けると今後は笙ノ川を渡ります。

笙ノ川を敦賀で最も大きな河川で、池河内湿原を源流とする2級河川です。

先ほどの黒河川と合流し、 市街地の中心を流れ市域を二分します。

この池河内湿原に至る道もなかなか素敵な道だったりします。

そしてあからさまにでかい道にぶつかります。

これは国道8号現道、県道210号はここで終点ではなく重複して左に折れます。


実はこの県道210号、「七里半越編」でチラッと登場しているんです。

それがこの先の区間、岡山交差点です。

前回は軽くしか触れなかったこの交差点を今回はさらに掘り下げてみようと思います!

これが重複中の県道210号から見た「岡山交差点」の風景。

何の変哲もない(とはいえ直轄国道同士の交差点)のように見えますが、

この青看板には、重大な秘密が隠されているのです!


というのもこの交差点、絡んでる道がちょっと凄い。

国道8号、27号、161号162号という4本の国道のうち3本が直轄国道!


さらに言うなら今走っているこの区間は3本の国道県道が重複中だということ。

どれとどれか分かれば、あなたも立派な道マニア。

ちなみにこの交差点は一見四叉路ですが・・・、実は・・・、

五叉路!!


しかもその幻の5本目こそが県道210号が重複から離れる道なのです。

青看板に偽りあり!

僕は騙されないぞ!

ここが県道210号が重複から離れた地点。

奥の車列は国道27号、横断歩道が渡っている道が国道8号現道です。


僕のカメラの性能ではこの交差点の全景を写すことはできませんでした。

そこで2枚に分けて撮影したのがこちら!

左 国道8号現道(長浜方面)

  ※国道161号重複開始/起点

右奥 国道27号(美浜方面)

  ※国道162号重複開始/起点
左下 国道27号(国道8号敦賀バイパス方面)


では210号はどこ?

左奥 国道27号(美浜方面)
右 国道8号現道(福井方面)
右下 福井県道210号津内櫛林線

ここでした!

わかるかなぁ。

この辺に用がないとまず市民でも使わないこの道。

国道8号に出る際には信号がありますが、

この県道にはいる為には右折待ちしてる車の脇を強引にすりぬけて曲がらなければならないという、なかなかにスパルタな交差点。

せめて信号くらいと思いましたが、ただでさえ混雑する岡山交差点の渋滞緩和もあるんでしょうね。

可哀そうな県道です。

そしてここにあるもう一つ珍しいのがこれ

「その他注意」

この標識、福井県内ではここだけとの情報もあるなかなかのレアもの。

もし他に発見されたものがあれば教えていただきたいです!

閑話休題。

そろそろ本編に戻りましょう。


先ほどまでとは打って変わってセンターラインの無い1.5車線。

この先が思いやられます・・・。

そして現れた踏み切りはまたしても登場の小浜線(笑)。

ホントよく出てくるな、君は。

ちなみに奥に見えている高架は北陸本線です。

ちょうどこの辺りで、北陸本線は南に、小浜線は西に進路を変えて互いに別れているようです。

なんかどんどん扱いが悪くなっている県道210号。

ついに案内無しの交差点が現れました。

ここは左が正解。

そしてさらに不遇は続く。

険道の証、

「県道側に止まれ」

道の規模も同じくらいなのに止まらされる。

こういうのが一番気の毒・・・。

止まらされちゃった交差点から先は、国道8号敦賀バイパスの下をうろつくことになります。

人間の足下にまとわりつく鼠のようにチョロチョロしてます。

高架下に展示されていた子どもが描いたと思しき絵画たち。

なんでこんなところに?

もっと目立つとこあるだろうに・・・。

たまにこういうの見かけるんですけど、いまいち意図がわからない。

一通りバイパスを曲がり終えると、交差点にさしかかります。

ここにはちゃんと右へと案内が出ていました。

そして渡るのは木の芽川。

いよいよ終点が近づいています。

再び踏切が現れました。

これはまたしても北陸本線です。

この踏切に止まらされると、目の前を「サンダーバード」や「しらさぎ」といった特急が猛スピードで通過するのを、

間近で見ることが出来ます。

好きな人は堪らんかも・・・。

この写真。

ここからこの県道がとるべき進路があなたにはわかるでしょうか?

まぁ100人いたら100人が直進するでしょう。

案内も何もないのですから迷いようもありません。


しかし正解は・・・

右下の鋭角に合流してきた道

しかし写真中央、右側に注目。


この道、実は・・・、

右左折禁止


チェックメイト!

これ以上はどうにもならない。

藪や倒木、落石ならどうにかしよう。

しかし道路交通法を無視することはできない!

仕方ないので、近くのコンビニの駐車場で方向転換させていただき、

ふたたび挑む県道210号。

青看板にもしっかり左折県道210号の文字が。


直進も210号のはずなんですが・・・

そしてこれが先ほどの道を登った先の青看板。

これが示すものはつまり、

起点から終点へは一方通行の為、県道210号は通れないという現実


確かにこういう道は全国に少なからずあります。

有名どころだと国道25号「御堂筋」などが有名です。

ちなみに三重県道8号もレポしてますね・・・。

そして終点、国道476号の交差点です。

そしてこの道の最初で最後のアイデンティティを一つご紹介。

この県道210号は数ある福井県道の中で唯一、

敦賀市内を通過する全ての国道と接続する県道なのです!


国道8号(重複・岡山交差点)
国道27号(岡山交差点)
国道161号(国道8号と重複中)
国道162号(国道27号と重複中)
国道476号(起点)


しかし・・・、最期のアレで全て接続している意味もあまりなくなっちゃってますが・・・。

色んな意味で不遇な県道210号。

僕はそんな君がなぜか愛らしくて仕方ない・・・・。


以上、福井県道210号余座若葉線編