旅立ちにふさわしい風船のお話
2016.03.15 02:16
本日のテーマは、「旅立ち」です。
これから環境が変わるこの季節にピッタリのお話を見つけました。
「風船の旅立ち」というお話です。どうぞ。
ゆらゆら。街の片隅。
風船売りのおじさんのカゴの中で、風に揺られてなびいた風船。
子供たちが伸ばす手に掴まれそうになったその風船は、なぜだか泣きそうでした。
「一人になるのは寂しいし、怖いよう」
でも、いつかは誰もが旅立たねばなりません。仲良しだった友達。
出来る限り一緒にいようねって誓ったあの娘。
そして、先に旅立っていったお父さん、お母さん。
風船は思い出して落ち込んでいました。
風さんが言います。
「新しい世界はきっと素敵だぞ」
でも、風船はビクビク。友達や先輩は言います。
「君なら大丈夫」
でも、やっぱり怖い。ずっと、今のままがいい。
ぎゅ。
小さな子供の手が風船のひもを掴みました。
びくっとした風船は身体をよじって、自ら飛び立ってしまいました。
一人ぼっちで浮かんだ空中。
舞い上がった風船に届いた「ばいばい」の声。みんなからの声。
途端に風船は怖くて、寂しくて、泣き出してしまいました。
そして、そのうち泣き疲れて眠ってしまいました。
どれくらいたったでしょう。
風船はそっと目を開けました。
広がった見たこともない景色。
澄んだ空気。
見下ろせば、空の青を映した大きな大きな画面。
風船は風さんに尋ねます。
ここはどこ?
「湖だよ」
すごく綺麗な場所だね。
「そうだろう」
じゃあ湖に映ってるあの素敵な色の丸いものはなぁに?
「あれは君さ」
大きな大きな空色の画面に映った小さな小さな赤。
それは自分自身でした。
風船は驚いて、それにすごく嬉しくて。
寂しさや不安はもうどこかへ消えていました。
風さんは言います。
「もっと素敵な世界が君を待ってるぞ」
赤い風船はなんだかワクワクしてきました。
春は出会いと別れの季節。
新天地での生活は誰もが不安ですが、ご安心ください。
塾はいつでも変わりません。
変わらず、ずっと味方です。
私たちは「第二の家」で、
いつでもあなたを待っています。
卒業生も遊びに来てね。
さぁ、本日も素晴らしい一日を。