お茶の良し悪し 荒茶とは? 考察
ちょっと真面目にお茶に関するお話 荒茶編
「荒茶ください」「荒茶っておいてあります?」
最近、荒茶をお求めにこられるお客様が増えました。
荒茶、という単語の認知度も徐々にですが増えてきているようです。
しかしながらどうやら皆さん「荒茶」がなにか正確に理解していないご様子。
お客様にはその都度、丁寧に対応させていただいているのですが、せっかくですので荒茶とは何ぞや、で記事にしたいと思います。
まず最初に「荒茶ってどんなものかご存知ですか?」とお客様に尋ねると
「農家でとれたそのままのお茶でしょ?」
「加工をしてないから新鮮なんですよね?」
「お茶本来の味わいを楽しめる・・・みたいな?」
「普通のお茶より安い?」
こんなこたえがかえってきました。
間違えてはいないのですが、すごく良いほうへ期待しすぎているのではないでしょうか。
荒茶とはなにか、を一言で表すと、
摘採した茶葉を一次加工をしたもの
です。
摘んだばかりの茶葉はただの葉っぱですよね。
植物なので、そのままにしておいたらすぐに腐ってしまいます。
だからドライフルーツのように水分を抜いて日持ちさせる加工を行います。
その工程を経たものを「荒茶」と呼ぶんです。
荒茶は「農家で採れた茶葉の水分を抜いたもの」です。
「より新鮮!」だったり、「本当のお茶の味!」だったりはあくまで売り文句なので、必要以上に期待をしてはいけません。
それだけをふまえてさきほどの荒茶ってどんなもの?をやってみます。
「農家でとれたそのままのお茶でしょ?」
→水分を抜いただけですから、ほとんどとれたそのまま、といってよいと思います。
「加工をしてないから新鮮なんですよね?」
→すぐに飲めば新鮮といえると思います。ですが、二次加工の火入れ、火止めの作業を行わないため、劣化は早いです。近隣に農家さんがあるなど、新茶時期に直接買い付けることができるならば鮮度はピカイチかもしれません。
「お茶本来の味わいを楽しめる・・・みたいな?」
→お茶はお茶です。むしろ茎などの余分なものをしっかり分けて茶葉のみで仕上げた普通の煎茶のほうがお茶本来の味と言えるのではないでしょうか。もし好きな農家さんいらして、その人がつくったお茶をそのまま飲みたい!とかなら良いと思います。
「普通のお茶より安い?」
→安いと思います。なんてったって、製造途中の商品みたいなもんですから、けっこう安く売るんじゃないかなあ。値段はそのお茶屋さんによってマチマチだろうし、あまり踏み込まないようにします(笑)
荒茶を買うのも、飲むのもいいんです。
そりゃ新茶時期のお茶はうまいです。荒茶だってうまいです!
ただ、
「荒茶のほうが、普通に販売しているお茶よりも品質が良い」と考えていたり
「荒茶を新茶のギフトとして贈りたい」とか
ちょっとそれは違うと思いますよ?
と、考えた末の記事でした。
みなさんも正しい知識を知って、おいしいお茶を見つけてくださいね!
迷ったらくぼた園のお茶がおすすめですよ!(笑)
追伸
冒頭で荒茶を買いにくるお客様が増えた!と言いましたが、もともと年間で0人だったのが、5人くらいに増えた。そんな人数です(笑)
荒茶をご購入の際は、ぜひその店の煎茶も購入して違いをくらべてみてはいかがでしょうか。